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水墨画の文房四宝(筆・墨・硯・紙)以外の必須道具【便利な使い方】

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのべべ・ロッカです。

水墨画の道具の基本は
筆・墨・硯・紙と言われますが
これら以外にも色々な道具を使って描きます。

今回は私が普段使っているものを
かなり詳しく、紹介します。

・水墨画の道具について知りたい
・これから水墨画を始めたい
・水墨画に興味がある

という方に向けて、
使い方のポイントや注意点など
解説していますので、
ぜひ参考にしてみて下さいね!

【水墨画道具】便利な必須アイテム

紹介する道具は、

・水入れ
・とき皿
・顔彩
・タオル
・下敷き
・筆置き
・水差し

などです。
順番に解説していきますね。

【水墨画道具】水入れ

「筆洗」と呼ばれるものです。
その名の通り、筆を洗うための道具。

よく見かけるのは磁器製(右)の
四角い重い器です。

この器のデメリットはとにかく重いことです。
ただ、ずっしり安定感はありますので
ドン!でひっくり返したり、とかは
ありません。

でも重いので水を換えるときに
ややストレスかもしれません。

水墨画では、とにかく筆をよく洗うので
水をこまめに変えたいのです。

というわけで・・

私はこちらを愛用。
いくつか並べて使います。
軽くて重ねられるし便利ですよ!

デメリットは汚れが落ちにくいこと。
そしてコンッとぶつけると水をこぼす
危険性があります。
軽いプラスチックなので仕方がないですね。

でも目的は、筆を洗うことなので
私は気になりません。
丁寧に扱っているとこぼすことも
まずありません。

文房四宝(筆・墨・硯・紙)についてはこちらの記事をどうぞ↓

【水墨画道具】とき皿

水墨画で使う場合のとき皿の条件は

・陶器や磁器のもの
・白い
・平ら
・直径10cm〜

向いていないものは

・プラスチックや樹脂製のもの
・色や柄がある
・深さがある
・梅皿

です。

条件を満たせば、
100円ショップで手に入るもので
OKです。

プラスチック製のものが
ダメな理由は、水を弾くからです。

とき皿の上で墨や顔彩を溶いた時に
しっとりと伸びればOK。

逆に弾いてしまって伸びが
悪いものは、使いづらいです。
水分の加減がしづらいからですね。

こんな風に広く使えるものが理想

【水墨画道具】顔彩(がんさい)

水墨画でも、色を使うことはあります。

↓私が愛用している顔彩です。

メーカーによっては
色味が派手なものもありますが
こちらは自然に近い上品な色で
使うのも18色くらいがちょうど良いです。

どうしてもこうなります

使っていくうちに汚れていくのは
仕方のないこと。

さらに、顔彩にも膠(にかわ)
入っているので、その成分のせいで
水気を含んだ使用後は
フタをするとベタベタにくっついて
しまいます。

膠が接着剤の代わりになってくっつく

この対処法としては
顔彩とフタの間に
ビニール的なものをかますことです。

ラップなどでくるんでいる人も
たまにいらっしゃいます。

それでも顔彩で汚れますが
紙にへばりついてバリバリになるより
マシだと思います。

【水墨画道具】タオル

たかがタオル・・と思っていませんか?

されどタオル!

水墨画においてタオルは
美容院におけるタオルと同じくらいの
必須アイテムなんです!

↑水入れのところでもお話ししたように
水墨画では、水で筆を洗う作業が
とても多くなります。

墨だけを使う場合は、
墨の濃淡をコントロールするために
筆を洗って、丁寧に調墨(ちょうぼく)
する必要があります。

色を使う場合でも、
色同士が混ざらないように
使った筆をきれいに洗うことが大切です。

筆を洗ったら、筆の水分を拭き取ります。
その時に、タオルが大活躍するのです。

クロネコ

普通に拭くだけじゃあダメなの?

ええ、タオルで普通に拭きます。
ただその時の、タオルのコンディションが
めちゃめちゃ大事。

筆の水をタオルが吸ってくれなければ
べしょべしょのままで
水分のコントロールも何もあったものでは
ありません。

私がタオルにこんなに熱くなるのは
時々「水を吸わないタオル」
に遭遇することがあるからですね。

長く教室に通っている人でも
時々やってしまうので、
ここだけは、ドSにならねばと
いつも注意しています。

添削する際に、生徒さんの席で
生徒さんの道具を使うことが
あるのですが、
筆を洗ってポン、とタオルに置いた
その時!

べべ・ロッカ

・・・このタオル、水を吸わないです

終了ー

とは言っても、無理やりぎゅっと
筆を包み込むようにすれば
なんとか水気を取れないことも
ないのですが、効率も使い勝手も
悪いですからね。

さて、タオルが水を吸わない理由は、

・新品である
・素材がそもそも吸いにくい繊維である
・柔軟剤を使って洗っている

これらが原因と考えられます。

新品のタオル

新しいタオルは、繊維の表面に
油分が残っている場合があります。
ですから、必ず洗濯してから使用して下さい。

タオルによっては、何度洗っても
なかなか水を吸わないものもあります。
同じ綿でもずいぶん違います。
繊維の種類によるのかもしれませんね。

吸いにくい繊維のもの

Tシャツの生地を想像してみてください。
綿ですがヌルッと細かい生地です。
あるいは、高級タオル。
厚みがすごい割に使いづらく
水も吸いにくい場合が多いです。

水を吸収するという謳い文句の
綿以外の素材の布もありますが
あまり使い勝手は良くないです。

柔軟剤を使ってはいけない

柔軟剤は、リンス効果があるので
洗濯後の生地に膜を作ります。

その膜のおかげで、ふんわりと
肌触りが良くなるということですが
その代わり、水を吸わなくなります。

この感覚は個人差があるでしょう。
私はゴワゴワしても平気。

水墨画に使うタオルとして適しているのは
ごくごく普通のありふれたもの。

粗品でもらうようなちょっとゴワゴワした
手触りのタイプのタオルがベスト。

↓このようなごく普通の薄手のタオルですね。

使い倒してぞうきんにしようか、という
ものも良いです。

なぜそんなタオルが良いのか?

水をよく吸うからです。

筆がお風呂(水入れ)に入った後に
バスタオル(タオル)でちゃんと水分を取り
ニュートラルな状態にする。

そこから、あらためて適切な水分を
筆に含ませて、墨や顔彩と調墨して、
描くものに合わせて、筆の状態を
コントロールする必要があります。

この作業のために、ちゃんと水を
吸ってくれるタオルでないと
話にならないのです。

水を吸わないタオルはタオルにあらず。

戦力外通告です。

それだけ、水分量というのは
水墨画にとっては大切なものなのです。

(関係ない描法を使う人もいます)

べべロッカ@タオル毒舌家

【水墨画道具】下敷き・筆置き・水差し

下敷き

水墨画は、イーゼルなどを使いませんので
机の上で描きます。
紙が薄いため、フェルトの下敷きを
使います。

紙が透けた時に色味に影響がないよう
下敷きの色は白がベストです。

筆置き

手元をより広く使いたいので
私は使いませんが、
生徒さんで使っている人を
たまに見かけます。

↓こんな可愛らしいものも!

水差し

水差しという道具がある意味を
考えてみるとわかるのですが
硯には水を入れすぎてはいけません。

軽いプラスチック水入れ(↑)の弊害か、
水入れからドバッと硯に水を入れて
あ、多すぎた、ってことでまた
硯の水を捨てる・・・・・・

という光景をたまに見かけて
「水、入れすぎでーす」
と声をかけることがあります。

硯の水は、少しずつ入れて少しずつする
方が効率が良いです。

エスプレッソを作るつもりで
墨は少量の水でゆっくり濃くするように
してみて下さいね。

『墨』『硯』について詳しく解説しています↓

【水墨画道具】その他、便利アイテム

左から、クレパス(白)、鉛筆、練り消しゴム、文鎮

鉛筆、練り消しゴム

下図を軽く描く場合に使います。

水墨画では和紙を使うので、
鉛筆で強く描いたり
練り消しゴムでゴシゴシ消すことは
できませんが、軽く「あたり」として
描く程度なら大丈夫です。

色鉛筆とスケッチブック

これは、レッスンでは使いません。

私は普段、手本や作品を作る際に
構図を考える段階で、下図を描いて
色を決めたりするのに使っています。

筆巻き

教室に通ったり、筆を持ち運ぶ際に
筆巻きに入れます。
文房具でいう筆箱のようなものです。

(左)いちばん簡単なのは、巻くだけタイプ。
文房具屋さんにも売っています。

(真ん中)ポケット付きは、筆がずり落ちないので
便利なのですが、あまり見かけません。

(右)器用な方は、自分で手作りしたり。
自作の筆巻きを教室に持って来る人も
けっこういます。

【水墨画道具】番外編〜墨すり器〜

最後に、こんな道具をご紹介。

滅多に使いませんが、
墨をすってくれるマシン、「墨磨職人」です。

アームのような部分に墨をホールド

墨を大量にする必要がある時に
大活躍します。

墨をアームにセットし、水を入れ
スイッチオンで
丸い盤面のような部分がゆっくり回転し
アームに付けた墨がしゅうりしゅうりと
すられていきます。

初めは「本当にすれるのかな・・・」と
思っていたけれど
かなり濃くすられていて感動しました。

盤面が斜めになっていて、
うまくアームの墨をキャッチするので
重心に工夫がされているようですね。

↓興味のある方は・・・・

【水墨画道具】最後に〜道具はとても大切〜

色々な道具を紹介してきました。
これ以外にも、まだまだ道具は
ありますよ!

作品制作において、
道具は欠かせない大事なものです。

画家はみな、定番のものから
自分で作ったものや、あるものを工夫したり
作品を作るために試行錯誤していると
思います。

枠にとらわれず、面白そうだなと
思ったものは何でもチャレンジして
使ってみるのも楽しいですよ!

それでは、また。

(音が鳴ります♪)