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水墨画で墨汁は使っていいの?オススメや固形の墨との違いを紹介

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのべべ・ロッカです。

水墨画といえば、墨。

それも固形の墨を使う絵画です。

クロネコ

墨汁じゃダメなの?

と、よく聞かれます。

固形も液体も同じ、黒い色で
名前も「墨の汁」となっているのに
なぜ墨汁じゃダメなのでしょう?

今回は

・墨のことについて知りたい
・固形墨と墨汁の違いについて知りたい
・これから水墨画を始めたい

そんな方へ向けて墨について
紹介していきたいと思います。

参考になれば嬉しいです。

固形の墨って何で出来ているの?

固形墨は一体何で出来ているのでしょう?

固形墨は、

すす
にかわ
香料

の3つの材料でつくられています。

それぞれの特徴を見てみましょう。

固形の墨の成分ー煤

墨の主人公、メインとなるすす

有機物の不完全燃焼により生じる
極めて小さな炭素の粒子とされています。

この微粒子は、普通の顕微鏡で
100〜200倍ぐらいにしてみても
はっきりとは見えないそうです。

また、この炭素の粒子は
カーボン・ブラックとも呼ばれています。

固形の墨の成分ー膠

次に、粒子である煤を集めて固めて
接着剤の役割をするのが、にかわです。

膠の主成分はゼラチンで、
獣や魚の骨・皮・うろこやうき袋から
つくられます。

皮やうろこや軟骨などを
水で煮て、その液を干して
つくられるそうです。

膠は脇役のように思えますが、
とても重要な働きがあります。

膠の役割

・炭素の微粒子をくっつける(接着剤)
・墨の粘りを生み出し、紙・板・布などに浸透し付着させる
・描いた時の墨の色に、艶・光・透明感を与える

これはすごい。

墨の主役はすすではなくにかわと五分五分の
コンビではないか?とさえ
思える重要な働きぶりですね。

固形の墨の成分ー香料

墨を磨っていると漂ってくる良い香り。

もともと、膠の匂いを消すために
唐の時代の墨にはもう香料が使われて
いたそうです。

その頃はもちろん天然の香料でした。

中でも、
動物性の香料としては麝香じゃこう
植物性のものとしては龍脳りゅうのう
が珍重され続けたそうです。

高貴な秘薬!

麝香じゃこう・・・ムスクという名で香水に使われることで有名。
雲南からネパールにかけての山深い高原に生息する、繁殖期のジャコウジカの雄の香嚢こうのう(ヘソと生殖器の間あたり)にたまる皮脂のような分泌物。

龍脳りゅうのう・・・ボルネオ・スマトラの高木。
葉先からもシベからも強い香りを放つ。
幹の芯である赤い部分に、香料となる芳香物質ボルネオールを含んでいる。

こんな贅沢な天然香料をふんだんに
使っていたのは昔の話。

今では多くの墨の香りは人工のものです。

が、墨の香りは麝香=ムスクの香りかあ
と思うとなんとなく素敵ですね。

固形の墨の種類

墨には、
日本製(和墨)と中国製(唐墨)が
あります。

和墨は牛皮膠、唐墨は漁膠を使って
つくられており
和墨は粘着力が高いと言われています。

また、製造するときの材料の違いで
油煙墨と松煙墨に分けられます。

油煙墨

油煙墨ゆえんぼくは、
菜種・桐・胡麻などの植物油を
燃やした
煤煙ばいえんを膠でかためたもの。

墨色がやや茶色っぽいです。

松煙墨より材料が手に入りやすい
ため、多く流通しています。

松煙墨

松煙墨しょうえんぼくは、松の樹脂を焼いて作った
煤煙ばいえんを膠でかためたもの。

墨色がやや青みがかっています。

松煙墨の原料は赤松から採取されますが
林業にかかわる方の高齢化、
墨作りをされる方の減少、
松煙墨を作る工程がほんとに大変!
・・・
などなどで
油煙墨に比べると高価にならざるを
得ないので、

「青墨」と名をつけて売られている
ものは、実際は青い染料が入っているものも
多いようですね。

固形墨のおすすめ

にぎり墨は、早く下りるのでストレスなく使えてオススメです

結論から言うと
墨の良し悪しは、実際に使ってみるまで
わかりません。

初めて使う墨はどれが良いのか?
難しいですよね。

厳密に言うと、価格だけでは
決められないところがあります。

水墨画の先生もおっしゃっていたのですが
「この墨は、
本当にチープなものなんですけどね。
これがなかなか良い色が出るんですよ!
これはアタリだったなあ。」

みたいなことがあったりします。

ごめん、磨りにくいです・・・・・

高価格のものであっても
装飾的な墨は持ちにくかったり
磨りにくかったりすることもあるし、
難しいんですね。

無難な答えになりますが、
できれば一度は画材屋さんへ行って
お店の人に墨のことをいろいろ
尋ねてみて、納得したものを
買うのがベストです。

あとは予算次第ですが
思い切ってネットで選んでみるとか
そういう方法も思わぬ出会いが
あって面白そうです。

固形墨と墨汁の違いは?

書道家の知り合いに頂いた墨汁=イベント用に使います

固形の墨と墨汁(墨液)って
何が違うのでしょう。

基本的な成分はどちらも同じです。

ですが、最もポイントとなるのは

にかわ

です。

膠は、何度も説明に出ますが
接着剤がわりとして墨を固め、
紙などに描いた時に墨を吸着させる
という役割があります。

固形の墨には必ず膠が使われています。


墨汁(液体)には使われているものも
ありますが、そのかわりに
別の成分が使われていることが
多いのです。

固形墨と墨汁のもう1つ大きな違いは
それぞれの粒子のサイズです。

固形墨の粒子の方が大きく
硯で磨って墨を作ることで
粒の大きさに変化ができます。
それが墨本来の美しさを
生み出すのです。

一方、墨汁の方では
粒子の大きさは小さく均一で
色調の変化は生まれにくいのです。

固形の墨はストレート果汁

イメージしてもらうために
ジュースで例えてみたいと思います。

固形の墨で作った液体を
「ストレート果汁のジュース」

としてみます。

ストレート果汁は、果汁以外の
余分なものが一切入っておらず
味も風味も良いものですよね。

墨汁は濃縮還元

一方、

もとから液体として売られている
墨汁(墨液)は
「濃縮還元ジュース」

濃縮還元ジュースは
輸送コスト面などの理由から
ストレート果汁を凍結・加熱
真空状態などにして水分を飛ばし
ペースト状に「濃縮」させています。

そして
また水分を加えてもとの濃度に「還元」
させるという工程なんですね。

濃縮させるときには、水分と共に
当然フレッシュな風味も落ちてしまいます。


なので、還元させるときに
添加物や、砂糖や香料など、果汁以外の
ものを加えて美味しく調整させることも
あるのです。

前フリが長かったですが、
その濃縮還元ジュースが、墨汁だと
イメージしてもらえばよいかと。

墨汁のもとになるそもそもの原料
(煤)も、人工的なものかもしれないし
動物から取れる膠(ゼラチン)だと
腐りやすいので、代用品かもしれないし
防腐剤も入っているかもしれません。

(商品によって様々だと思います)

表示を見ると、「膠」ではなく「合成糊剤」となっています

一方、固形墨は
人工香料などを使用してはいますが、
基本的に古来からの墨の製作工程の
通り、煤・膠・香料の3つの成分
のみで作られています。

つまり、

ストレート果汁のおいしさに
濃縮還元では勝てないように、
墨汁は、どうしても

固形墨の墨色の美しさを
再現することはできません。

墨汁では、
美しいにじみが再現できないのです。

勝てないのです。

なので、水墨画を描く時には
固形の墨を使うように
推奨されているのですね。

墨汁のおすすめ

とはいえ
描くものによって使い分けると
墨汁も便利なものです。

私の例で言うと、

・ひたすら運筆練習したい時
・イベントで大量に墨を使う時

など、固形の墨を磨るのが大変そうな
場合は、墨汁を使っています。

また、次の表示があるものは、
固形の墨になるべく寄せて作ってある
墨汁ですのでおすすめです。

「油煙墨」・・・人工的な成分ではなく煤が使われているということです

「膠系」・・・合成糊ではなく膠が入っているということです

色々な墨汁があるので、
よく選んでみてくださいね。

また、「天然の膠系」だと完璧
というわけではありません。

あくまでも墨汁は墨汁です。
先に述べたように、粒子のサイズが
固形墨より小さく均一なため
変化がつけにくく単調な色合いになります。

私が使っている墨汁と同じものを見つけました。

墨が小さくなってきたら?

長持ちする固形墨ですが、だんだん
減ってきて小さくなりますよね。

小さくなると磨りにくい・・
どうしたら良いでしょうか?

3つの方法を紹介します。

墨バサミを使う

手っ取り早いのは、「墨はさみ」という
グッズです。

短くなってきた墨をはさんでキュッ!
すぐ簡単に使えますよ!

接着剤を使う

墨専用の接着剤です。

注意点としては、
接着剤を使う場合は必ず
「墨専用」のものを使うようにしてください。

一般的なボンドとかは
NGです!

墨を継ぐ

他の記事でも触れたことがありますが、
墨自身が持っている接着性の強さは
スゴイ力です。
にかわによるものですね)

↑図のように、すりかけの墨をそのまま立てて
おいたために、硯にくっついてしまって
手ではとても取れなくて
カナヅチでカン!と外したことが
あるくらいです。

で、その接着性を利用して、
墨同士をつなげるというやり方が
あります。


膠の強力さは十分信頼できますので
小さい墨が増えてきたな・・と思う方は
ぜひ試してみてください。

【墨継ぎ手順】

①くっつけたい墨の表面を平らになるまでよく磨る。

面と面をくっつけるので、ここは念入りに
平らになるまで頑張りましょう。

②接着剤がわりになる濃ゆーい墨を作る。

サラサラ(←薄い:もっと磨りましょう)

トロトロ(←濃い:描くのにはOK)

ドロドロ(←だいぶ濃い:素晴らしい)

ネバネバ(←これを使う!)

「ネバネバ」レベルはもう液体とは言えない
靴墨くつずみのような状態です。

③ネバネバ墨を固形墨のくっつけたい平ら面に
まんべんなくつけます。

④両方つけたら2つの墨をくっつけて
ぎゅーっとしばらく押しつけます。

⑤1分ほど押しつけたら
筆でネバネバ墨を取り接着面の周りに、
ならすように塗っておきます。
念入りに。

⑥後は、1週間ほど放っておいて
十分乾燥させます。

固形墨トランスフォーマー!
新しい墨となって生まれ変わりますよ!

残った墨はどうする?

描いた後、硯に墨がまだ残ってる、
ということがありますよね。

そういう時、その墨をどうしたら良いでしょうか?

3つのパターンを紹介します。

捨てる

潔く捨てる。

捨てる、というのは
洗い場で道具を洗うときに
そのまま流す、ということです。

あるいは硯の墨が多い場合は
あらかじめ布や紙で墨を拭き取って
洗い流します。

保存する

滅多に保存することはありません。

保存する場合は、次のような条件が
重なったときです。

①冬

②連日、作品を制作している
(翌日も引き続き墨を使う)

③そのため、濃い墨を多めに作った

という感じです。

さらに、冬場でも冷蔵庫に保管します。

つまり、それ以外の通常の場合は
捨てた方がよいです。

基本、そのときに使い切るようにする

なぜ、捨てることをおすすめしてるか。

墨には膠という動物性のゼラチン成分が
入っています。

固形の状態から、水で液状にして
使用しますが、液体になると
ゼラチン質が溶け出すので、
そのまま置いておくとゼラチン質が
劣化してひどいニオイが発生します。

特に夏は注意。

ですから、固形墨を使う時は

「少しずつ磨って、使い切る」

というのが基本なのです。

墨で汚してしまったら?

子供のころは、書道の時間に
皆しょっちゅう服を墨で汚していた
ような記憶が・・・。

驚くべきことに
大人になると、そんな方は
ほぼ見かけません。
(当たり前?)

ただ汚しやすい可能性として
次の場合に気をつけてくださいね。

汚してしまいがちな時

①片付けで、硯を洗う時 

墨の入った硯にバーッと水を
入れてしまうと、
墨が飛び散ることがあるので
まず、墨を布や紙などに吸わせてから
硯を洗うようにすると良いですね。

②絵を描いている時の袖!

案外見落としがちですが、
墨をバッと服に散らすのではなく、
手首のあたりにゆらゆらしている
服の袖が、硯の墨にタッチしている
という場面を見たことがあります。

もしも汚してしまったら?!

石けんで洗う

先日、レッスンの時
「あっ!」という声がしたので
見ると、初めてかもしれませんが
服に墨をつけちゃった方発見。

シャツの端に500円玉より少し
大きめの墨の汚れが。

「すぐ洗えば落ちますよ!」

ということで、洗い場で
水と石鹸を使ってすぐに洗うと・・

キレイに落ちていました!

綿のシャツだったのと
墨がついてすぐだったのが
よかったのかもしれないですね。

時間が経つと、墨の中の膠成分が
働いて、服に吸着してしまうので
落ちにくくなってしまいます。

洗う際は
マジックリンとか洗剤系よりも
普通に固形石鹸と水の方が良いと
思います。

専用洗剤で洗う

墨専用の洗剤を見つけましたので
紹介します。

布に描ける墨液の紹介

布地に描ける墨液を紹介します。

実際に私はTシャツ何枚も描いています。

描いたといっても、字なんですけど
黒地のTシャツに白い布書液で
描きました。

水墨画・・とは少し違うかもしれませんが
カンタンで楽しいので、紹介します!

Tシャツに描ける!

用意するもの

・Tシャツ・バッグなど絵を描きたいもの
・布書液
・筆

布書液の「白」を使います
筆は、ダイソーのナイロン筆0号(1番細い)

ダイソーのナイロン筆
普段、顔彩を取るのに重宝していますが
それは大きいサイズしか使わないので
細い筆たちを持て余していました。

今回は字を描くのでついに
細い筆が活躍する時がきた!

ちなみに、この墨液を使う時は
水墨画で使う獣毛の筆は避けて
ナイロン筆がオススメです。
(痛んでしまうため)

細めのナイロン筆を使おう

さらにハサミでカットし、細くとがらせてみました
いい感じにシャープになりました(右は使用後)

オリジナル削用筆の出来上がり!

削用筆さくようふで」とは、実際に画家が筆を削って
作った筆がきっかけとなって
商品化されたものらしいのですが、
オールマイティに描ける便利な筆です。

なので、私も作ってみました。

マイ削用筆、描きやすいです

ぽってりした液体ですが、1、2回では
全然薄いので、何度も重ね塗ります。

重ね塗るうちに太くなったりするので
描くものにもよりますが、
細い筆の方が良いですね。

洗濯にはどれくらい耐えられるか?
というと・・・

何度も洗濯しても大丈夫!

ペンタイプで描いていた時代

これが古いタイプのTシャツ。
(3年目くらいでしょうか)

Tシャツ自体もですが色褪せた感じに
なります。
でも、描いたところが取れたり、
消えてしまうことはありません。

この時は布書液ではなく、
ペンタイプのものを使いました。
やや太字でコロンとしています。

これが最新版
フォントも少しスリムにしてみました

削用筆で描いた最新のもの。
かなり描きやすいので、何度も重ねて
白をくっきり出しました。

私は、字でしたが、絵を描く場合は
薄さ・濃さをコントロールして
濃淡をつけることもできると思います。

ペンタイプより、布書液の方が
私は描きやすかったです。
布地にしっかりつくし
なかなか楽しめますよ!

この布書液シリーズは、他にも
いろんな色があるようです。

墨と〇〇 重要な相棒は?

墨は墨だけでは何も生み出しません。

水と融合し、溶け出すことによって
初めてその働きと美しさを私たちに
教えてくれます。

墨にとってふさわしい相棒とは?

墨と水:本阿弥光悦と家康のエピソード

本阿弥光悦が好んだ「光悦垣」

本阿弥光悦ほんあみこうえつとは・・
江戸時代 京都。書・絵画・工芸・出版・・・あらゆる芸術に精通し、才能を発揮したアートの天才。

むかし、本阿弥光悦ほんあみこうえつが、徳川家康に招かれて、江戸城へ絵をかきに出かけた時の話である。

集まった座敷に、おごそかな1日のアトリエが作られ、光悦はたんねんに墨を磨りはじめた。

将軍や大老の目は、光悦にむかってふりそそぐ。

この名だたる画匠のうごきを、見おとしてはならぬ、というわけだ。

墨の香りが高まって、光悦は手を休めた。

しばらくして、光悦は筆をとり、傍の鳥の子紙に墨をおろした。

画面はまだ描かれてはいない。

紙におかれた試墨の墨は、ゆるゆると乾いてゆく。

じっとそれをみつめる光悦。

その光悦に見入る家康や大老たち。

息を凝らして見つめていると、とつぜん光悦がつぶやいて
「江戸の水がわるい。墨の色がきにくわぬ」と、筆を投げたというのである。

側近は、ひやりと度肝をぬかれたが、さすが家康は気がながかった。

「今日はこれにて。また、あらためて」と、その日はことなく終わった。

10日、20日と日は過ぎて、光悦はふたたび江戸城へ招かれた。

家康は、ひとがわるい。

その日用意した水は、ひそかに京からとりよせた水であった。

江戸の水はわるかろうと、そっと使いを今日へ走らせていたのである。

そんなこととは知らぬ光悦、その日もたんねんに墨を磨り、筆をおろした。

一息ついて、やおらつぶやいたのは、
「今日の水は、墨色が冴える」という一言であった。

*****************

光悦は、江戸の水と京の水を、水墨の色で見分けたという話だが、墨は水によってもその墨色を左右されるということである。

墨の色というのは、それほどに水によっても冴え方がちがうのである。

硬水よりも軟水がよいことは、洗濯や染色、あるいは汽罐用水の例から推してもうなずける話だが、墨色を見ただけで、水の質をより分けた光悦の目は、ずいぶんすごい目であったのだろう。

ー「文房四宝 墨の話(榊莫山)」

墨と水:「ぬるい、替えてきてください」

レッスン会場によっては、
水道にお湯が使えるところがあります。

冬の道具の片付けの際などは
冷たい水にガマンせず
お湯で洗えるのでありがたいのですが・・

私が駆け出しの頃レッスンで
ボスの添削を観察していた時のこと。

生徒さんの席に座り、
「では見ましょう」となった時に、

筆を洗った直後に
ピシャリと放った一言。

「あ、水がぬるい。
替えてきてください」

季節は覚えていませんが
どうやら自動的に水道が
お湯っぽくなっていたようです。

「えっ これだめなんですか?」

と言う生徒さんに

「生ぬるい水では気持ちがピリッと
しませんね」

とボスは答えていました。

それがとても印象的で
ピリッとしないのはダメだと
心に残りました。


私も墨を磨る時、
絵を描く時、
使うのはキリッと冷たい水
決めています。

そしていつか

「今日の水は墨色が冴える」

と言いたい。

まとめ

今回は墨について基本的なことと
墨にまつわる様々なことを
紹介しました。

全ての道具がそうですが
墨も奥が深く、知れば知るほど
興味が湧いてくるものです。

墨は、作られて10年ぐらいで
性能が冴えてきて
40年〜6,70年経つと
最も墨色がきらめくそうです。

また、高価なものが最良であるかと
いえば、そうでもなくて
墨も「出会い」です。

色々試して、あなたに合う墨を
見つけてくださいね。

それでは、また。