大阪のおすすめ美術館の記事を作ったのですが、その5つの美術館のうち「藤田美術館」が好きで、今回は藤田美術館だけの記事を書いちゃいました。
藤田庭園もお気に入り!
抹茶とお団子も良いよね!
そうなんです・・・!
疲れるほど広くて見応えのある美術館も楽しいのですが、この歴史を感じる藤田美術館が落ち着くというかなんというか、存在自体が好きなんです。
すぐ隣の敷地にある「藤田庭園」も、殺風景な都会の中できれいに整備されていて居心地が良くて、いいですよね。
藤田庭園、ほんとしょっちゅう行くよね
藤田庭園に住みたい!
そんな藤田ファンの私に共感してくれる方がいるかどうかわかりませんが、おすすめの美術館であるのは間違いないので、さっそく紹介していきたいと思います!
・美術館にほとんど行ったことがない
・あまりアートに興味はないけど雰囲気を味わいたい
・人の多い美術館は疲れる
・駅が近くでアクセスが便利な場所が良い
↓よかったらこちらもどうぞ♪
目次
藤田美術館ってどんなところ?
藤田美術館は、リニューアル前は春と秋、年2回にのみ限定公開されていました。
夏と冬の温度差で、展示収蔵品が劣化してしまうからだったそうです。
しかし現在では、お休みは年末年始のみで、月曜日でも開館しています。
(お出かけの前には念の為確認して下さいね)
アクセス
藤田美術館の魅力のひとつは立地の良さ!
元は藤田男爵の豪邸があった場所ですので、川沿いで自然との融合はバッチリ!
なだけではなく、繁華街から少し離れているにもかかわらず・・梅田(大阪)へは2駅という近さなのです。
最後に寄り道プランを紹介しているので、参考にしてみてください。
さて、藤田美術館は
「大阪城北詰駅」の3番出口からすぐです。
↑上画像の看板にもありますが。3番出口にはエレベータとエスカレータがないので、階段のみです。
頑張って下さい。
「藤田美術館」
〒534-0026
大阪府大阪市都島区網島町10-32
06-6351-0582
【電車でのアクセス】
・JR東西線「大阪城北詰駅」3番出口すぐ左
・京阪電鉄「京橋駅」片町口より徒歩10分
・大阪メトロ長堀鶴見緑地線「京橋駅」2番出口より徒歩7分
【駐車場はありません】
開館時間・入館料
【開館時間】10:00〜18:00(予約不要)
【休館日】12/29〜1/5
(年末年始にお出かけの際は確認して下さい)
【入館料】1,000円(19歳以下無料)
◆19歳以下の方は年齢確認できるものを提示
◆キャッシュレス決済が推奨されています
※各種クレジットカード・Quick Pay・交通系IC(PiTaPaを除く)
【写真撮影について】
館内は、美術作品も含め全ての撮影がOKです!
若い人にもアートを楽しんでほしいとの願いから、19歳以下は無料となっています。
設備や館内の様子
藤田美術館は入館方法がユニークなので、初めての訪れた方は驚かれるかもしれません。
ガラスの扉から建物の中に入ると、右手に「あみじま茶屋」のキッチンがあり、真正面にドーンと重厚な黒い扉があります。
ここが美術館の入り口です。
あれ、チケットはどこで買うの?
とうろうろしそうですが、スタッフの方がいて1組1組対応して下さいます。
その時、次のような内容の説明があります。
◆入館料(1,000円)はクレジットカードか電子マネーのみとなっている。
◆展示品の解説などの紙類のものは一切ない。
スタッフの方が見せてくれるQRコードをスマホでかざすと、その時の企画展示品のページをウェブで見ることができる。
展示品ひとつひとつの画像があって、タップすると詳しい解説が見られる。
また音声解説もついており、ただ「イヤフォンで聴いて下さい」とのこと。
※私はいつもイヤフォンを持っているのでOKでした。
◆展示品の撮影はOkだが、分厚い壁のため電波が届かずwifi接続が必要。
(wifiに関しては、スタッフの方が見せてくれるQRコードをスマホでかざすと自動的に接続されるので、説明通りに従いましょう)
◆入口と出口は別で、進んでいくと自然に出口に誘導される。
◆中はけっこう暗く、特に扉入ってすぐは真っ暗なので、驚かないでください。
※最初に真っ暗にすることで、緊張感を高める演出なのだそう。
重厚な黒い扉を入るとすぐ真っ暗になります。
左に自動ドアが開閉するので、進めば目の前の壁に次のようなメッセージが映されます
美術品を「みる」ことに
特別な知識は必要ありません
色を 線を 形を 質感を
じっくり時間をかけて眺める美術品を知る
美術品について「きく」とその先が広がります
そのものの歴史 宿る美意識 それを愛した人々
より深い感動がそこにあります心が動いたことを誰かに「はなす」
感動はさらに強く心に刻まれ
はなした人とつながることが出来るでしょうその一助となるために
先人たちが残したカタチとココロを守り伝えますカタチとココロを未来へ
ー藤田美術館 館内メッセージより
そして次の扉を入ると、館内となります。
展示品は少ないので、じっくりゆっくり観て回ることができますよ。
暗い展示室から明るい部屋を抜けると、出口です。
ここで一旦外へ出る仕組み。
目の前にある細長い廊下のような部分は、美術館の外側です。
藤田美術館の見どころはココ
実業家の藤田傳三郎氏(男爵)・長男の平太郎氏・次男の徳次郎氏によって蒐集されたコレクションを、広く一般に開放するために蔵を改造して藤田美術館として開館しました。
2022年にリニューアルオープン。
蔵の扉・窓・木材など旧館時代の一部を、新しくなった建物に再利用しています。
藤田美術館のコレクションは、東洋の古美術が中心となっています。
藤田傳三郎氏は、中でも茶道具に関する関心と造詣が深く、その蒐集の規模の大きさは関西でも一番だと言われていたそうです。
・国宝9点
・重要文化財53点
を含む、約2,000点の収蔵品を有します。
曜変天目茶碗
藤田美術館では、月ごとにテーマを決められ、テーマに沿った収蔵品が展示されます。
ウェブサイトのトップページには開催中のテーマが載っています。
また、「トップページ」→「年間スケジュール」から今後のテーマを見ることができますよ!
藤田美術館のコレクションで最も有名なのは、「曜変天目茶碗」。
「曜変天目茶碗」とは?
抹茶を飲むための茶碗。
鎌倉時代、日本から中国へ留学した禅僧(禅僧の僧侶)は、浙江省の天目山(山岳の名称)周辺の、禅宗寺院で修行をしました。留学を終えた僧が持ち帰った茶碗が天目山から来た茶碗=天目茶碗となったと伝えられています。
茶碗は中国のものですが、名前は日本でつけられました。
また、持ち帰った茶碗が黒色をしていたため、派生して黒や褐色の釉薬を天目釉と呼びます。
その後、色に関係なく天目茶碗としての一定の姿形をしている碗を「天目茶碗」と呼ぶようになりました。曜変天目茶碗についてのQ&A
ー作られた場所は?
中国南部の福建省にある建窯(けんよう)で作られたと考えられている。
ー作られた時代は?
南宋時代(12〜13世紀頃)。
ー作った人は?
不明。
ー日本へ来たのはいつ?
不明だが、曜変を含む多くの天目茶碗は鎌倉時代〜室町時代の頃、日本へもたらされたと考えられている。
ー「曜変」の意味は?
茶碗の表面に現れている、青や緑色の斑紋を「曜変」と呼ぶ。
曜の文字には光り輝く・星などの意味があり、見た目を表現した言葉だと思われる。以上、文章と画像〜藤田美術館ウェブサイトより引用させて頂きました。
詳細はこちら→「入門50選ー曜変天目茶碗」
この神秘的で美しい曜変天目茶碗は、世界に3点しかなく、その3点とも日本にあって全て国宝となっています。
①大阪:藤田美術館「曜変天目」(国宝)
②京都:大徳寺塔頭龍光院「曜変天目」(国宝)
③東京:静嘉堂文庫美術館「曜変天目」(国宝)
その1つが藤田美術館に保管されているとは・・・
七色に変化し、名碗として徳川家康ら時の権力者たちを魅了したと言われる曜変天目、ぜひいちどは目にしたいですよね。
水墨画コレクション
あります!
・雪舟自画像
こちらは、雪舟本人が描いたものではなく模本とされている作品。
・制作年:?年
・サイズ:縦59.3.cm×横28.4cm
・素材:絹本着色
・所蔵:大阪府「藤田美術館」
・賛者:青霞(中国の文人と推測される)
↓雪舟自画像他、雪舟の国宝についてじっくり紹介した記事はこちらです。
これは珍しい芦雪のお軸です!
3幅ともに、掛け軸の表具部分も描く「描表装」と言われるもの。
画面の中からモチーフが抜け出してくるような立体感を感じさせる工夫がなされています。
まるでコマからはみ出して描いた漫画のような演出ですね。
このほかにも絵画では仏画・大和絵・絵巻などが収蔵されています。
コレクションは、その時のテーマによって展示されるものが決まります。
どの作品に会えるかはその時のお楽しみというわけですね。
(あらかじめチェックしたい方はウェブサイトで年間スケジュールをご覧ください)
藤田邸庭園
【開園時間】午前10時〜午後4時
【休園日】年末年始
藤田邸庭園は、現在は桜之宮公園の一部として、大阪市が管理整備されているようです。
桜・梅・桃・藤の花を中心に、南天・真弓など実もの、松などさまざまな植物が楽しめますよ!
とてもきれいでホッと落ち着く、まさに都会の小さなオアシス。
人でごった返すことはなく梅や桜の時期に、藤田美術館を訪れた人や近所の人たちがお散歩を楽しむ・・・というようなのんびりした聖域です。
ただ10時から4時までの限られた時間なので、日中にお出かけくださいね。
美術館側の入口からそのまま桜ノ宮公園の方へ抜けて、大川沿いを散歩・・というのが私の定番コースです。
あみじま茶屋
藤田美術館の建物内にあるお茶屋さんです。
メニューは
・お茶とだんご(しょうゆ・あん)
500円(税込)のみ。
煎茶
番茶
抹茶
の3種類のお茶の中から1つ選べます。
支払いは、キャッシュレスを推奨されています。
藤田美術館のそばには、淀川から分岐した大川が流れます。
茶の湯に使う水をたたえた大川のほとりでは、お茶の文化が発展しました。
藤田傳三郎氏はお茶にも造詣が深かったので、川の近くのこの地を選んだのですね。
お茶碗やお盆などの道具は、若手作家さんにによる作品だそうです。
ひとつひとつ違って趣がありますよ。
あ〜、またウズウズとお茶と散歩をしたくなってきましたね!
藤田美術館・カフェ・ランチ事情
藤田美術館の場所は、繁華街から少し離れた川の近くです。
美術館を楽しんだ後は、さてどうする?
そのまま直帰はもったいない。
ちょっと寄り道・・したくないですか?
藤田美術館から→その後のおすすめプランをいくつか用意してみたので、参考にどうぞ!
プラン①たまには贅沢ランチを楽しみたい
→「ガーデンオリエンタル大阪」へGO
プラン②にぎやかな駅方面でランチや買い物がしたい
→「北新地駅」または「京橋駅」方面へGO
プラン③散歩大好き。ゆったり自然の中で過ごしたい
→「大川沿い」または「大阪城」方面へGO
プラン①ガーデンオリエンタル大阪(リッチなランチタイム希望)
↓「ガーデンオリエンタル大阪」はこんな方におすすめです。
・美術館に行った余韻でその後は贅沢ランチでも
・あれこれ詰め込まずゆったり過ごしたい
・良い思い出にしたい(写真も撮りたい)
「あちこちいくとちょっと疲れるよね、今日はゆっくり過ごそうか」
そんな時にピッタリ。
ザ・ガーデンオリエンタル・大阪
【レストラン】
▪️ランチ 月〜金 11:30 ‒ 16:00(ラストオーダー 14:00)
▪️ディナー 月〜金 17:00 – 22:00(ラストオーダー20:00)
▪️定休日:土曜・日曜、年末年始
*営業日に関してはお店に確認してください
TEL:06-6358-5533
ガーデンオリエンタル大阪
ザ・ガーデンオリエンタル・大阪は、旧大阪市公館だった場所がリニューアルされ、2014年に迎賓館として生まれ変わりました。
現在はレストランやウェディング会場として人気になっています。
なにしろ旧大阪市公館ですから、
・広々とした敷地
・自然あふれる静かな立地
・洋館風の建物
など、普通のお店ではなかなか味わえない満足感があります。
ランチはちょっぴり贅沢価格ではありますが、カフェだけの利用もOKですよ。
店内がとても素敵なので、まず雰囲気を楽しむためにティータイム利用というのもいいですね!
お庭もゆったり広々としていてきれいに整備されているので、お店の周りを散歩するのもおすすめです。
混み合うので、予約をした方が良いですね!
プラン②「京橋駅」「北新地駅」方面(歩きたくない・繁華街へ行きたい)
↓「京橋駅」「北新地駅」方面プランはこんな方におすすめです。
・色々お店を見てから食べるところを決めたい
・駅が近くてにぎやかな方が良い
・帰りにちょっと買い物もしたい
「美術館、うんよかった!次どこ行こうか?」
にぎやかで便利な繁華街やショッピングが好き!という方ですね。
藤田美術館の最寄駅はJR東西線「大阪北詰駅」です。
美術館のすぐ隣の「大阪城北詰駅」3番出口から電車を利用すれば、
「京橋駅」は1駅。
「北新地駅」は2駅。
繁華街へ直行したい方は、電車利用がベスト。
また、「京橋駅」(JR、京阪電鉄)へは歩いて行ける距離なので、直行よりは、
「少し余韻を楽しみたい」
「この辺りって初めてだから探検してみたい」
という方へ。
美術館を出てちょっと南へ進むとすぐに、京阪電鉄の高架が見えます。
その高架に向かって左方面に高架沿いに進んで行くと、いずれ京橋駅に到着します。
そして京橋駅に到着するまでの高架下に、ズラーっとさまざまなお店が並びますので、ランチやお茶におすすめ。
梅田とは比較になりませんが、「梅田へ行くまでもない」「人混みはちょっと」ということであれば京橋駅はちょうど良いかもしれません。
京阪モールというショッピングモールがありますのでついでにお買い物も。
いや、町より自然が好きです、がっつり歩きたいんです!という方はプラン③へ!
プラン③大川沿い・大阪城まで歩く(自然と散歩が大好き)
↓「大川沿い」「大阪城」散歩プランは、こんな方におすすめです。
・人混みが苦手
・お散歩や自然の中で過ごすのが好き
・歩くのは自信あり!
「藤田美術館って周りに自然が多いんだな〜お散歩してみよう!」
まさに、プラン③は「人混みが苦手・自然が好き」な私自身にもピッタリ。
藤田庭園から、大川沿いへ出て川を左手に見ながら、ずーっと散歩ができます。
途中に橋もあるので、そこを渡れば反対側の川沿いには、「造幣局」や「帝国ホテル」があり、同じように川沿い散歩を楽しめますよ!
JR環状線「京橋駅」の次が「桜ノ宮駅」なので、桜ノ宮駅を目標に大川沿いを進めば、ちょうど良い散歩コースになるかもしませんね。
(疲れたら電車に乗れるし)
一方、大阪城の方面を目指したい方は、少し南の方へ向かいます。
大川から分岐してまた川が流れているので、その川を渡る必要があります。
地図をよく見て、目指してください。
大阪城公園に着けば中はとても広いので、どこからでも自由にお散歩が楽しめると思います。
まとめ
ユニークで素敵な美術館「藤田美術館」を紹介しました。
現在の藤田館長は5代目。
国宝も含めた数多くの貴重な日本の宝を守りつつ、少しでも多くの人に観てほしいという先代からの想いを繋いで、現在の新しい藤田美術館に生まれ変わりました。
「茶道具や仏教美術が中心のため若い人になじみにくい」
↓
19歳以下は入場無料
「いつでも気軽に美術品を楽しんでほしい」
↓
年末年始以外開館、撮影OK
「スムーズに入館、また感染症の時代を考慮」
↓
キャッシュレス決済に移行
などさまざまな工夫をされています。
人でごった返すことはないのに、人が途切れることはない印象です。
まさに「いつでも気軽に美術品を楽しめる美術館」ですね。
特に美術館初心者におすすめです。
機会があればぜひ、お出かけください。
それでは、また。
こんにちは。
墨絵師のベベ・ロッカです。