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水墨画初心者必見!画材道具15点の正しい扱い方を画像付きで解説

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのベベ・ロッカです。

今回は、水墨画をこれから始める方、始めたばかりの方に向けて、道具の扱い方について紹介します。

①使い方の基本
②片付け方と保管方法
③持ち運ぶ場合

④注意点

この4点でまとめています。

・道具の使い方がよくわからない
・使った後の道具の片付け方が知りたい
・水墨画が初めてなのであらかじめ学びたい

という方に向けて、参考になれば嬉しいです。

そんなの知ってるよ〜ということもあると思いますが、今回は細かい部分を説明していきますので、よろしくどうぞ!

水墨画の道具の使い方〜基本〜

よく使う道具の使い方を

①使い方の基本
②片付け方と保管方法
③持ち運ぶ場合

④注意点

に分けて、 道具ごとにそれぞれ解説してみたいと思います。

水墨画の道具〜筆

①使い方の基本

筆は使う前に、まず水でよく濡らします。

そして、タオルで余分な水分を拭き取ります。

これが、ゼロのスタート状態です。

ここから、筆の穂先に墨や顔彩をとって、描いていくのです。

もちろん、タオルで拭いただけではなく指で水分量を確認しましょう。

初めは分かりづらいですが、慣れてくると、描く絵に合わせてどれくらいの水分量を含ませれば良いか、という基準がわかってきます。

慣れるまではこうやって、体を使って体感していくことが大切です。

水入れの端っこで、水分を切るという説明も時に見ますが、私はこのやり方だと筆の水分量が分かりにくいので、タオルで拭く派です。

墨を筆で取る時は、筆の穂先だけに少し湿らせるようにして取ります。

ガバッと根元までつけて取りすぎると、後で筆を洗うのが大変です。

書道とは違うので、必要な分だけちょっとずつ取れば大丈夫。
そのほうが効率が良いですよ!

②片付け方・保管方法

筆の穂は、動物の毛で作られていますので、傷みやすく繊細です。

墨や顔彩を使った後は、水できれいに洗って、乾燥させておきましょう。

筆のお尻がわにヒモがついていたら、ぶら下げて干せますが、
ヒモがついていないものが多いので、穂先の水分をよくとったら・・・
こうやって立ててもOK!

③持ち運ぶ場合

持ち運ぶ場合は、筆巻に入れておくと穂先が痛まず、コンパクトにしまえます。

④注意点

・使う前には、十分水で湿らせておきましょう。

・とき皿に移した後の筆は、再度水入れで洗います。
そして、ゼロの状態に戻して、改めてとき皿の墨を取るようにします。

2度手間のように思えますが、一旦ゼロの状態からスタートしないといけません。

筆に取った墨は、とき皿へ移します
墨を移した後、筆を洗うと真っ黒です このまま描いていたら真っ黒になってしまいます

水墨画の道具〜墨

①使い方の基本

硯に水を入れ、墨ですっていきます。

墨のすり方については、

・まっすぐ垂直に立ててする
・斜めに傾けてする

の2パターンの人に分かれます。

まっすぐ立てるすり方
ナナメに傾けるすり方

うちの流派では、まっすぐ立てる一択です。

気になっていろいろ調べてみましたが、正解はわかりませんでした。

ただ、実用性も見た目にも、まっすぐ立てた方が長くきれいに使いやすいと思います。

クロネコ

墨の先がすんごいとんがってるの、見たことある・・・!

偉ギィ

痛そう・・・・・

短くなってきた墨には、墨バサミという便利な道具もありますよ!

②片付け方・保管方法

墨をすった後は、すぐに濡れた部分を拭き取って乾燥させます。

そのまま放置しておくと、にかわの成分でベタベタと汚れが吸着したり、服や紙を汚してしまう危険性があります。

墨はたいてい専用の桐箱に入って売られています。

この桐箱は捨ててしまわず、墨を使った後はここへ保管するようにして下さいね。

③持ち運ぶ場合

小さい桐箱は可愛いです

持ち運ぶ場合も、墨のお家、桐箱のまま移動させてあげて下さい。

桐箱はとても軽いです。

④注意点

水差しを使ってもいいですが、私は筆で水を取り、硯に移して使います

墨をする時に入れる水の量は、あまり多すぎるといけません。

多すぎるとなかなか濃くならないので、途中でいい加減になってしまうおそれがあります。
そうなると、しっかり墨の成分がすれずに薄い状態で、濃淡が作れません。

平らな丘の部分に少し水がたまる程度で十分。

足りなくなったらその都度少しずつ水を入れて、墨をするようにしましょう。

水墨画の道具〜硯

①使い方の基本

硯は墨の相棒です。
墨のところで説明したように、水の量には注意して下さいね。

②片付け方・保管方法

使った後は、水洗いして下さい。
タオルやティッシュで拭いてそのままにしておくと、少しずつ汚れのかたまりが残って取れなくなってしまいます。

硯の隅の方など、洗いにくい部分は柔らかい布やスポンジを使ってもOKですよ!

汚れを放置しておくくらいなら、ゴシゴシ洗った方が絶対良いです。

洗った後は、タオルで拭いて乾燥させて下さい。

③持ち運ぶ場合

重さがあるので、箱にしまうかタオルや紙で包んで保護しましょう。

よほどの落下で割れることを除けば、壊れることはまずありませんがぶつけて欠けたりすることはあるので、ご注意。

④注意点

「お墓」立てていませんか?

墨をすっている人に、時々見かけるのですが・・・・

なんと墨を立てたまま放置していることが!

見つけたら素早く墨を取り除きますが、そのまま放置しておくとどうなると思いますか?

以前、教室で生徒さんにお貸ししたことのある硯の話。

墨を立てた状態で時間が経ってしまっていて・・・あ!と私が見つけた時には手では墨が外せないくらい墨が硯に吸着してしまいました!

どうしたと思いますか?

なんと、カナヅチでカーン!

その結果、硯の鋒鋩ほうぼうに傷がついてしまって、結局その硯では墨がすれなくなってしまいました。

硯の鋒鋩ほうぼうとは、墨をする平らな部分のことで、硯の良し悪しが決まるとても大切な部分。

可哀想に・・・

それ以来、墨を立てて放置している状態を「お墓」と呼んで、気をつけるようにしています。

いろんなことがありますなあ・・・・

水墨画の道具〜紙

①使い方の基本

白い色紙サイズが画仙紙、やや薄茶色が楮紙です

和紙の種類にもいろいろありますが、1枚1枚を買うと、それなりのお値段がするし、扱いにくいですよね。

普段使いにはコスパの良い画仙紙がせんし楮紙ちょしが向いているかと思います。

画材屋さんやデパートの文具売り場などに、練習帳として冊子になったものが売っているので、これらを使うと価格を抑えめで、便利に使えますよ!

2種類の描き比べをしていました。

画仙紙
画仙紙
楮紙

画像では伝えにくいのですが、

画仙紙はツルツルとした白い和紙。
楮紙のほうは、一般的に皆が思う和紙のイメージに近いかもしれませんね。

上:画仙紙 下:楮紙

画仙紙は水の吸いが速いのでツヤ感を出しやすく、楮紙はカサカサと乾いたカスレを表現するのに向いています。

左:楮紙  右:画仙紙

それぞれの良さがありますね。

②片付け方・保管方法

和紙は湿気を嫌いますので、ジメジメした場所は避けて保管しましょう。

それと、時間が経つと紙の状態が変化します。

乾燥しすぎて水を吸いにくくなったりしますので、早い目に使った方が良いですね。

③持ち運ぶ場合

こんな風に冊子になっていてピリピリと1枚ずつはがして使います。

重いなと思ったら、はがして持ち歩くと良いですね。

和紙は強いので、折ジワがついても大丈夫 水で濡らせば元通りになります

持ち運ぶ時は折っても良いですが、ただ、折り目が強くつくと、描くときのジャマになることがあります

くるくるっと丸めてコンパクトにした方が良いですね。

④注意点

汚さないことですかね!

それと、強いと言われる和紙ですが、やはり紙なので繊細ですからグシャグシャっとしたりしないよう、丁寧に扱ってあげて下さい。

水墨画の道具〜顔彩

①使い方の基本

シーン かたまっています

顔彩は、固形の顔料です。

顔料は絵の具の色の原料となるもので、天然の鉱物などが使われています。

元の状態は粉末なのですが(日本画などに使用される)、それを使いやすいようににかわやアラビアゴムなどで練って固形にしたものが、顔彩なのですね。

通常は固まった状態で、水で溶かせば簡単に絵の具として使えるのです。

ですので、非常に便利です。

このナイロン筆で取ります(DAISOのものです)
あらかじめ水を含ませておいて、ほじくるように取ります
取った顔彩は、とき皿に移して使いましょう

②片付け方・保管方法

こうなっちゃいますねえ

便利な顔彩ですが、湿った状態で放っておくと色が流れて固まってしまいます。

テトリス化してしまう

ノリの成分が強く、くっついて離れません。

思い切りよく水につけちゃいます

汚れがひどい場合は、水につけて掃除してみましょう。

絵の具は水ですぐ溶けます

プラスティック製の容器なので、拭けばきれいになりますよ!

サッパリ!きれいになりました
見違えるようにピカピカ

使った後はフタを開けて半日くらい置いて乾燥させて下さい。

梅雨時や湿気の多い日などは、使っていなくてもジワッと湿っていることがあります。

そして収納するときは、顔彩とフタとの間に、ラップやビニールぽいものをかませておくと、箱がバリバリになるのを防ぐことができますよ!

ラップを1枚かませています

③持ち運ぶ場合

使った後乾燥させる時間がないまま移動、とかであれば仕方ないですよね。

移動した時は、帰宅したらすぐに開けて、乾燥させて下さいね。

④注意点

ゴムで止めておきましょう

意外と忘れがちですが、箱には必ずゴムをかけておいて下さいね。

墨の桐箱のようにパフっときっちりハマれば安心なのですが、顔彩の箱は外れやすくて、よく中身をぶちまける人続出ですので!

水墨画の道具〜とき皿

①使い方の基本

とき皿の役目は、墨や顔彩を移して、その上で調墨ちょうぼくし、濃淡を生み出す手助けをする!

というものですね。

調墨(ちょうぼく)とは

思い通りの墨の濃淡を作るために、皿の上で筆の穂先を使い、墨の加減を調節すること。

調墨をせずに、ただ硯から墨をとって描いても、濃淡を出すことはできないのです。

硯から墨を、または顔彩の箱から筆でダイレクトに取っても、美しい濃淡や色の繊細な変化を表現することは不可能なんです。

なんでもないお皿じゃないか、と思いますが重要です。

水墨画ならではの美しいグラデーションのためのタネと仕掛けを作るのに、必要なアイテムですね。

②片付け方・保管方法

スポンジなどを使ってきれいに水洗いして下さい。

片付けの時に重ねられるように、サイズを揃えておくのも良いですね。

③持ち運ぶ場合

割れたり欠けたりするかもしれないので、タオルにくるんだりして保護して下さい。

④注意点

プラスティック製でなければ、O Kです。(磁器製)

プラスティック製がなぜダメなのかというと、墨や顔彩が皿の上でたまりを作ってしまうからです。

水分が多いたまりは、調墨ちょうぼくのジャマになってしまいます。

磁器製だと、ちゃんと皿の上で張り付くように広がるので、調墨しやすい ⭕️
プラ皿は、水分を弾いて、中央に集まるようにたまりができる ❌

水墨画の道具〜水入れ

①使い方の基本

水入れは、筆を洗いやすい大きさのものであれば、何でもOKです!

磁器製のものでなくても大丈夫ですよ。

②片付け方・保管方法

墨や顔彩の汚れがフチにつきやすいので、スポンジなどを使ってきれいに水洗いしてして下さいね。

③持ち運ぶ場合

持ち運び用の水入れは、やはりこれが便利!

重ねることができて軽いし、手入れが楽ですよね。

④注意点

磁器製は重いです。

ヨーグルトの容器は軽いですが、コン、と当てて水をこぼさないよう気をつけて下さい。

水墨画の道具〜タオル

①使い方の基本

筆の水分を拭いたり
ちょっとした汚れも拭き取ったり
墨の水分も拭き取ったり

筆や墨に比べると、脇役中の脇役ですが、水分を調節するために、タオルも絶対に必要なものです。

道具に関する他の記事でもしつこいくらい、タオルのことについてお話ししているので、ここでは割愛いたします。

タオルは大切なアイテムですよ!

②片付け方・保管方法

墨だけの場合でも、顔彩で汚れた場合でも、使った後はそのまま干して乾かします。

汚れが気になる場合は、手洗いしてもOKですが、完全には落ちません。

くれぐれも濡れたままバッグに入れっぱなしにしないように・・・・・。

③持ち運ぶ場合

使った後は濡れているので、ビニールバッグを用意しておきましょう。

④注意点

水を吸うタオルを使って下さいね。

水墨画の道具〜下敷き

①使い方の基本

下敷きは和紙の下に敷いて使います。

和紙は薄いので、机の上に直に置いて描くと水が下に染み込んだりするため、下敷きを使うのです。

フェルトの白が基本ですね。

②片付け方・保管方法

フェルトは形がつきやすいので、折ったり曲げたりしないようにしてください。

まっすぐ伸ばした状態で保管するのがベストです。

③持ち運ぶ場合

持ち運ぶ際には、曲げられないので、くるくる巻いてしまいましょう。

下敷きのサイズにもよりますが、筆巻に巻きつけると便利ですよ!

④注意点

折ったり曲げたりに注意です。

一度折り目がつくと、それは・・・元には戻らないのです。

水墨画の道具〜筆巻

①使い方の基本

筆巻はペンケースと同じ役割、筆を収納するものです。

②片付け方・保管方法

お家に帰ったら、筆巻から筆を必ず出して下さいね。

そしてまた持ち運ぶときに、筆を収納するようにしましょう。

③持ち運ぶ場合

持ち運ぶことが、筆巻の仕事ですね。

④注意点

特にありませんが、筆をたくさん詰め込みすぎると、パンパンに重くなってばらけてしまうかもしれませんので、筆の数はほどほどに。

ひもで巻いてキュッと止めるだけのシンプルな構造です

筆が多い場合は、ポケット付きだと便利ですね。

水墨画の道具〜その他

文鎮ぶんちん

和紙は薄いので、描いているときに紙が動く場合があり、それを防ぐために文鎮を使います。

ですが、重いので持ち歩いている人はあまり見かけませんね。

必須!というほどでもありません。

水差し

硯で墨をする時に、水を入れる役割があります。

ドボドボと水を入れすぎないように、たいてい小さなものが多いです。

あると使えば便利ですね。

といって私はあまり使わないのですけども・・・。

練り消しゴム

練り消しは、割とよく使う便利アイテムです。

水墨画でも軽く鉛筆で下書きをする場合があるのですが、その時に不要な線を消すために、練り消しゴムが活躍します。

普通の固形の消しゴムだとゴシゴシこすって、和紙の表面を痛めてしまうので、この柔らかい練り消しで、ぽんぽんと叩くように消します。

売られている時は固形っぽいのですが、上の図のようにぐいーんとよく練って使います。

絵で使用しない時も、たまに練っておいて下さいね。
放っておいたら固まってボソボソになっちゃいますので!

新聞紙

新聞紙は、あると何かと使えるので、持ち運ぶ場合に道具の中に入れておくと良いですね!
1枚で十分ですよ。

【使用例】
・濡れたものを包む(ビニールバッグの代わり)
・机の上に敷く(汚れ防止)
・割れ物を包む(タオルの代わり)

などなど。

レッスン用バッグ

必要な道具をまとめてみました。

・筆巻(中に筆)
・硯と墨
・顔彩
・水入れ
・練習紙
・とき皿3枚
・下敷き
・ペンケース(中に練り消し)
・タオル
・ビニールバッグ

レッスンに通う場合は、これだけの道具が入る大きさのバッグが必要ですね。

このバッグは、横幅50センチ以上あるのでかなり大きめです。

コンパクトにまとめれば、これほど大きいサイズじゃなくても大丈夫そうですね。

また、レッスンで水を使用するため、濡れた道具を入れることになりますから、バッグの素材はナイロン系かしっかりした生地のものが良いですね。

キャリーケース、リュックなどを利用している方も多いです。

水墨画の道具の使い方〜まとめ

今回は水墨画で使用する道具について、使い方や注意点などを掘り下げて紹介しました。

私は使い慣れているものばかりなので、普段はごく当たり前に使っていますが、改めてひとつひとつじっくり考えてみる良い機会になりました!

水墨画にまだ不慣れな方、これから始めたいと思っている方の疑問が解消されたら嬉しいです。

それでは、また。

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