目次
【水墨画の花】菖蒲(アヤメ)系の花を描く
今回は、水墨画のテーマとして
定番中の定番、
「菖蒲」(アヤメ)系の花の描き方です!
べべロッカのYouTubeチャンネルより
動画を見ながら解説していきます。
【水墨画の花】解説付きレッスン動画を見ていきましょう
こちらが今回解説する動画です。
動画では「ハナショウブ」と紹介しています。
なお動画のオープニングは
私、ココアを作っています。
本編は2:23くらいからのスタートです。
【水墨画の花】ハナショウブの花の描き方を
では
ハナショウブの描き方を見ていきましょう!
【水墨画の花】ハナショウブの描き方〜花〜
花の部分には「紫」と「群青」
を使います。
この時、完全に2色を
混ぜてしまっても良いし
2色を別々で取っても構いません。
完全に混ぜると
その混ぜた色「青紫」が出来上がります。
また、2色を1食ずつ別々に取ると
それぞれの色がうまく合わさって
絶妙なグラデーションが現れます。
全く同じ色は2度と作れない、
という一期一会の配色が楽しめますよ。
いきなりサッと描くのではなく
まず紙の上でイメトレ。
下図がない場合、真っ白な紙の上で
イメージするのはかなり重要です。
最初に描くのは
花のてっぺんにある
内花被(ないかひ)という部分。
私は通称「トサカ」と呼んでいます。
トサカは3枚です。
トサカの次に
3枚の花びらを描きます。
この時の注意としては、
3つとも、違う形・向き・角度
にすることです!
ひと工夫が必要なんですね。
水墨画の「美の軸」とも言える
「アシンメトリー」
を意識することがとても大切。
アシンメトリーとは
シンメトリーではない
という意味です。
シンメトリーとは簡単にいうと
「左右対称」「均整が取れている」
ということ。
つまり、その逆である
「左右非対称」「アンバランス」
であるということが
水墨画の世界において
「美しさ」の基準となる
考え方の1つとされています。
【水墨画の花】ハナショウブの描き方〜茎・葉〜
さて
頑張って3枚とも
違う形の花ができたら、
茎と葉っぱを描きましょう。
筆をよく洗って、
次は墨を使います。
まず硯から筆で墨をとり
とき皿の上へ移し、
さらにもう1枚のとき皿に
少し墨を分けておきます。
墨を取った筆は
そのまま描くのではなく
一度水入れできれいに洗います。
とき皿の上では必ず
「玄関スペース」(ベベロッカ辞典)
を空けておくことを忘れずに。
このスペースを使ってうまく
墨を取ることで
濃淡をコントロールすることが
できるようになります!
ガクを描いたら、茎を描きます。
↑描く前に筆の穂先をひと工夫。
茎の太さに合わせて広げます。
指を使ってかまいません。
線を描くときは
筆をまっすぐにして縦に引きます。
よそ見をせず手元に集中して・・・。
次は葉っぱを描きます。
葉を描く前にもイメトレしましょう。
今回はシンプルに葉は3枚だけ
なので集中してイメージ。
2枚め。
3枚め。
葉っぱ完成です。
最後につぼみを足して、
出来上がり!
【水墨画の花】ハナショウブの描き方〜最後におまけで葉っぱの特訓!〜
ハナショウブの描き方本編は
ここでいったん終わりなのですが
動画では、最後に
物足りない方へということで
アヤメ系の葉っぱの練習コーナーが
あります。
アヤメ系は
サッと気合いで描くタイプの葉なので
本番前にこういう事前練習は
欠かせません。
腕全体で描くので
コントロールがとても大切なんですね!
【水墨画の花】ハナショウブを描いてみて〜まとめ〜
いかがでしたか?
アヤメ系は水墨画の題材としても
とても人気だし定番の花でもあります。
描けるようになれば
かっこいいですね!
では次に、
「アヤメ問題」を解決しておきましょう♪
アヤメ問題とは・・・
アヤメとハナショウブとカキツバタという
3種類の花がみな同じに見えて
違いがわからない!
というアヤメあるあるです。
以下、画像は動画より抜粋したものです。
【水墨画の花】アヤメ・ハナショウブ・カキツバタの見分け方2つ
全てアヤメ科で
見分けがつきにくいこの3つの花。
「いずれアヤメかカキツバタ」
という慣用句を聞いたことが
あります。
この言葉の意味は、
「どちらも優れていて、優劣がつけ難いこと。」
ですが一応、
(というか当然ですね)
ちゃんとした違いがあります。
花の種類というのはとても複雑で、
しかもこのアヤメトリオにも、
よく似たまた別の種類が存在します。
見分け方についても
さらに細かい分類を言い出すと
余計混乱しそうです。
ですので、
ここではこの3種に限り、
見分け方は2つだけ紹介しようと
思います。
見分け方1つめは
「花が咲いている場所」です。
・アヤメ=乾燥地
・ハナショウブ=湿地帯
・カキツバタ=水中
これはすぐにわかるかも!
花が咲いている場所を
確認してみて下さいね。
湿地帯のハナショウブが少し
微妙かもしれません。
でもアヤメとカキツバタは
陸上と水中なので
明らかに違いますね。
見分け方2つめは
「花の根元の色・模様」です。
・アヤメ=網目模様
・ハナショウブ=黄
・カキツバタ=白
私もすぐに忘れてしまうのですけど・・。
アヤメという名前は、
この網目模様から来ているそうです。
【水墨画の花】ハナショウブとショウブの違い?!
そしてここで多くの人が誤解している
花を紹介したいと思います。
それは、
「ショウブ」です。
え??ハナショウブ?ショウブ???
実はハナショウブとショウブは
全く違う種類で・・・
ハナショウブはアヤメ科、
ショウブはサトイモ科の
植物なんです。
で、上の画像のガマの穂のようなのが
「ショウブ」の花。
5月5日端午の節句の日に
菖蒲湯に入る風習がありますが、
あの長い葉っぱが
「ショウブ」です。
菖蒲と書いて
「アヤメ」とも「ショウブ」とも
読めるので、余計ややこしくなるのかも
しれません。
動画では、花の部分に色を使いました。
この花は、墨のみで描いても
素敵だと思います。
墨だけで描いて良い花はどれ?決まりはあるの?詳しい説明はコチラ↓
まとめ
アヤメ系は花の部分が難しそうに思えますが
やはり葉っぱの方が手強いです。
シンプルゆえにごまかしがききません。
なんとなくゆるく描いて
「これでいいか」では済まされない系の
厳しさがあります。
何度も何度も練習するのですが
和紙がもったいないので、
私はよく新聞紙に描いたりも
していましたね。
よかったら動画を見て
コツをつかんでみて下さいね。
あ、それから
気合いは大切なのですが、
力が入りすぎてしまうと
失敗しやすいです。
うまく脱力できますように・・。
それでは、また。
こんにちは。
墨絵師のベベ・ロッカです。