水墨画で簡単に描ける花はコチラ

水墨画でより簡単に花を描くには?【描く前に知っておきたい基本】

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのべべ・ロッカです。

水墨画を始めたばかりの人や
もうずいぶん慣れたという人も
描く上での悩みはこれじゃないでしょうか?

何を描くか?

クロネコ

基本、いつもそれで悩むのよね

【水墨画】なるべく簡単に「花」を描きたい!

今回は、水墨画の中でも人気の
「花」
をテーマに、初心者の人を対象にして
どんな花を選ぶのが良いか、花の名前を例に
挙げて、解説していこうと思います。

参考になれば嬉しいです。

【水墨画テーマ】どんな花を描けば良いか?

偉ギィ

花を描きたいんですが種類が多くて・・・

クロネコ

自分の好きな花を描けばいいの?

この記事では、絵を描く前の選ぶ段階で
まず考えて欲しい大切なことをいくつか
例に挙げます。

【水墨画テーマ】花なら何でも良いわけではない

「初心者にオススメの花選び」
ということで考えていきたいと思います。

ズバリ、花の種類によっては水墨画に描く際の
向き不向きがあります。

水墨画の特徴を考えた時に、描きやすいものと
描きにくいものがあるのです。

まだ水墨画に慣れていない場合、
わざわざ描きにくい難しいテーマを選ぶ必要は
ありませんよね。

せっかく描くなら、
水墨画での表現が生かせる花を描いた方が
簡単だと思いませんか?

クロネコ

オススメの花があるの?知りたい!

【水墨画テーマ】その花、本当に描きたいですか?

「自分の好きな花を描きたい」

「ちょっと変わった個性的な花が良い」

「誰も描かない花が描きたい」

その気持ち、よく分かります。

ですが、水墨画に慣れていなくて
それらの花をどのように表現すれば
良いかまるで見当もつかない、という
ことであれば、考え直す必要が
ありそうです。

私の生徒さんの例を挙げますと・・

特別レッスンで、自分の好きなものを
テーマに選ぶ際、「この花を墨で描きたい」
とチョイスした花がありました。

でもその花の場合、色をつけた方が
絶対良いタイプだと思ったので
そうおすすめしましたが、
「いや絶対墨がいいです!」

ということだったので、
じゃあひとまずご自分で、墨で描いて
どんな感じになるか下絵を作って
見て下さい、と伝えました。

結果、どうしても絵にならない上に
難しすぎて嫌になって
テーマ自体を変えちゃいました。

そういうことってよくあります。
実際に描いてみると、わかるんですね。

では、水墨画に向いている花の例をあげて
みたいと思います。

※植物全般ではなく
(竹、松のような種類は除外)
メインが花であるものです。

なお、それぞれ季節で分けてみました。

テーマ選びに季節を意識する理由は?
こちらの記事も参考にしてみてください。↓

選んだ理由についても説明していきます。

【水墨画テーマ】初心者向けおススメの花リスト

[春〜初夏]
・桜   (墨、色)
・アヤメ (墨、色)
・モクレン(墨、色)
・スミレ (色)
・チューリップ(墨、色)
・紫陽花 (色)
・藤   (色)
・牡丹  (墨、色)
・ドクダミ(色)

[夏〜初秋]
・ヒマワリ(墨、色)
・露草  (色)
・朝顔  (色)
・コスモス(色)

[秋〜初冬]
・菊   (墨、色)
・サザンカ(墨、色)

[冬]
・水仙  (墨、色)
・梅   (色)

かなり厳選したので、花に詳しい人にとっては
たったこれだけ?と少なく感じられるかも
しれません。

私の好きな花が入っていない、という人も
いるかもしれませんね。

まず重要なポイント。
「誰もが知っている花である」ということ。

上のリストの花はどうでしょうか?
名前を聞いたことがあり
実際に見たことがある
馴染みのある花ばかりではないでしょうか。

【水墨画テーマ】墨で描くか色を使うか

次に、花の名前の後ろに記述している
(墨、色)と(色)分類の説明をします。

水墨画の場合、色を使わず墨だけで描く
というのが古来の技法です。

ただ、初心者にとっては
墨だけで描くのは少しハードルが高いもの。

クロネコ

興味はあるけど、ちょっぴり難しそう

特に花は、その花の魅力をより簡単に
表現するために、を使った方が良い場合が
多いんですね。

偉ギィ

色を使ってカラフルにしたいです

でもあえて
墨だけで描くのにチャレンジしてみたい、
と思う人向けに、このように分類分けしてみました。

(色)としているのは
色を使って描いた方が良い花。

(墨、色)としているのは
墨だけで描いてもOKです、の花です。

それらをふまえて、次の花リストを
参考にしてみてください。

【水墨画テーマ】墨だけで描いてもOKの花のリスト

こちらが上のリストの中からさらに、
墨だけで描いてもOKの花を抜粋したものです。

・桜   (薄ピンク、ピンク)
・アヤメ (紫)
・モクレン(白)
・椿   (白、赤、ピンク、斑入りなど)
・チューリップ(赤、ピンク、黄など)
・牡丹  (赤)
・ヒマワリ(黄)
・菊   (白、黄、ピンクなど)
・サザンカ(白、赤、ピンクなど)
・水仙  (白、黄)

これらの花は墨だけで描いても良い花。

つまり、白黒=モノトーンで描いてもOK
ということです。

※それぞれ参考までに、
実際の花の色( )も付け足してみました。

この花達の特徴は、色と形にあります。

種類によって様々な色が咲く花もありますが
形はどれも個性的で、その花ならではの
フォルムをしています。

偉ギィ

どうして、この花たちは
墨だけで描いてもOKなんですか?

べべ・ロッカ

理由を順番に説明していきたいと思います

まずは白い花について。

上のリストでは
モクレン・椿・菊・サザンカ・水仙です。

水墨画の場合は、紙の地の色(白)を生かす
描き方をするため、線描きするだけで
白い花が完成します。

そこへ顔彩の白色を塗ることはないので、
墨だけ=モノトーンでも大丈夫なのです。

※白い絵の具を使う技法もあります。

では、赤・黄・ピンクなどの色で咲く花は
なぜ墨だけで描いてもOKなのでしょうか。

理由は、誰もが知っている花で
わかりやすい形をしているから。

「桜」を例にあげてみます。

花の中で桜の知名度は日本一と言っても
過言ではないかもしれません。

桜の花びらは、
ハートのような形をしていて特徴的ですよね。

そのシンプルなフォルムは
イラストやデザインで目にすることが多く
人々の脳裏にイメージが強く定着しています。

あのハートの花びらをサッと描けば、
誰もが「これは桜だ」と言うでしょう。

つまり、色情報を抜いて墨だけのモノトーンで
描いた絵を見ても、多くの人が「桜」だと
簡単にわかる。

だから
墨だけで描いても良い花=水墨画表現にも向く花
であると言えます。

クロネコ

かっこよく白黒で描いても、
何コレって言われたらショックだもんね

偉ギィ

墨だけだと、色情報が欠けているので
伝わりにくいのですね

べべ・ロッカ

墨に五彩あり、といわれる水墨画ですが、
初心者のうちは無理をせず、色に頼っても全然OKです!

桜の描き方はこちらをどうぞ↓

桜は、墨だけで描く場合は線描き。

色を使う場合は没骨もっこつ
という、線を描かずに直接彩色して
形状を表現する方法で描きます。

薄墨を使って、没骨で描くこともできます。

花にフォーカスして「寄り」の構図でも良いし
「引き」で木の幹をメインに全体を描いても
どちらの表現もできますね。

よく知られた人気の花だからこそ
様々な表現方法が可能なのです。


水墨画3分ムービー「桜」(音楽が鳴ります♪)

桜の木の幹の方をメインにして絵になるのは
まさに水墨画のタッチならではと言えます。

認知度が高い。
みんなが好き。
春の象徴である。(桜の場合)

初めは、こういうポピュラーな花
描いてみるのが非常におススメです。

チューリップもそうです。
非常にシンプルで個性的な形をしています。
デフォルメされたイラストでも
「チューリップだ」とすぐわかります。

そのシンプルさゆえにベタベタ塗ると
子供っぽい絵にもなりがちですが
そこを逆手に取り、墨で描くことによって
大人っぽい仕上がりにすることもできる花です。

ヒマワリなどはどうでしょう。
この花も個性的な形で、認知度も高いです。

ゴッホの有名な「ヒマワリ」は、枯れたものも
加えて味わい深い魅力がありますが
水墨画表現では、ヒマワリの持つ陽気さや
派手さを抑えておしゃれ感とクールさを演出
することができますよ。

【水墨画テーマ】色を使って表現した方が良い花のリスト

一方、色で描いた方が良いとした
赤や黄などの花について。

これらの花は、墨で描くよりも、彩色した方が
簡単にその花らしさを表現することができます。

最初のリストの中では、こちらの花たちです。

・菜の花 (色)
・スミレ (色)
・紫陽花 (色)
・藤   (色)
・ドクダミ(色)
・露草  (色)
・朝顔  (色)
・コスモス(色)
・梅   (色)

この花たちは、
「墨のみでOK」の花に比べると
花の形が繊細かまたは複雑なものです。

紫陽花、藤などは、小さな花が集合して
ひとつのフォルムになっています。

スミレ、ドクダミ、露草などは
花が小さくてか弱く、非常に繊細です。

絵に描く場合、繊細で複雑になればなるほど
「わかりやすさ」から遠のいていきます。

桜、チューリップ、ヒマワリのような
わかりやすいゴージャスな花に比べて
小さくて繊細で可愛らしい花は
墨だけで描くと寂しい印象になりがち。

ですからそんな場合は、色に助けてもらいましょう。

絵に色情報が加わることによって、
繊細で複雑な花たちもイキイキと輝き始めます。


水墨画3分ムービー「スミレ」(音楽が鳴ります♪)

【水墨画テーマ】初心者が「わかりやすい花」を描くことの重要性

運筆の難しさなどはひとまず置いて
おきます。

最初(初心者のうち)は
絵の対象物(テーマ)には
メジャー(一般的でよく知られた)な物を
選びましょう!

水墨画における「花」の種類選びの段階で
まず大切なことは、何度も繰り返しますが
わかりやすさです。

・誰もが知っている
・形や色がイメージしやすい
・形がシンプルで表現しやすい

ということが非常に重要なのです。

偉ギィ

爆発!するのが芸術だと思ってましたが
そうでもないんですね

べべ・ロッカ

もちろん爆発もアリですが
それが全てではないですからね!

【水墨画テーマ】「わかりやすい」ことが重要である理由

季節感のある、よく知っている花の絵を
見た時、誰もが反応します。

「あ、桜だ、きれいですね!
これあなたが描いたんですか?」

「私、椿好きなんですよ、お上手ですね」

絵に興味がない人でも、
自分の知っているものが描かれた作品には、
好意的です。

絵を描き初めの頃は特に、自信がないので
「私の絵を見て皆どう思うかな?」
と誰もが思うはずです。

そんな時に、「素敵な絵ですね!」
共感を持ってもらえたら、嬉しくないですか?
すごく励みになりますよね。

クロネコ

ノーコメントより絶対うれしい!

【水墨画テーマ】人は基本的にわかりやすいものが好き

これは実際の体験談です。

ギャラリーで生徒さんたちの展覧会を
開いた時のこと。

会場に来てくれた人たちに
「好きな絵を3つ選んでください」と
作品投票をしてもらったことがあるのです。

その時ランキング上位に入ったのが、花。
しかも、上のリストにある花が多かったです。

「ポピュラーな花の絵は
基本であり王道である」

と実証済みなので、安心してください。

まとめ

花は最も身近で心和む良いテーマですよね。

作品に描く際には、今回紹介したような
花をぜひ選んで、皆で楽しんでください。

・みんなが知っている花を選ぶ。
・水墨画で描きやすい花を選ぶ。
・墨だけではなく、最初は色を使って描いてみる。

テーマ選びはとても大切。

水墨画ならではの表現を使って、工夫すれば
さまざまな絵を楽しむことができます!

今回は「花」でさらに種類を厳選して
紹介しました。

水墨画だから墨だけで!とこだわりすぎず、
まずは皆が好きな花を描いて
自分から「褒められ」にいって
どんどん自信をつけていきましょう!

べべ・ロッカ

絵は人に見せると上達がはやくなりますよ!

あなたの作品で、皆がハッピーになりますように!

それでは、また。

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