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【水墨画の花】簡単な「アサガオ」の描き方2種と花の名前の由来解説

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのベベ・ロッカです。

今回は、水墨画表現にぴったりのアサガオを紹介します。

・アサガオの描き方を2パターン
・特徴的な花の名前の由来について

についての記事です。

「水墨画3分動画 アサガオ」を見ながら、詳しく解説していきます。

2パターンの描き方それぞれ動画があり、記事の中から見られますので、参考にしてみて下さいね。

水墨画3分動画レッスン ー 朝顔を描くー

それでは、水墨画3分動画「朝顔」を見ながら、解説していきたいと思います。
(動画では解説はありませんが、音が鳴ります♪)

動画は2分17秒です。
ようく見て、夏休みの朝顔を思い出してみてください。

また、今回は花の部分の描き方を2種類、紹介します。

・鉤勒法(こうろくほう)・・・輪郭線を描く方法
・没骨法(もっこつほう)・・・輪郭線を描かず彩色して描く方法

↑上記の名前は正式名称ですが、こういう難しい名前は覚えなくても大丈夫ですよ!

私自身も、ほぼ普段使いはしませんから。(漢字も覚える気ゼロ)

で描きまーす
で描きまーす

という風に言っています。
そのほうがわかりやすいですからね。

さて、それぞれどのような表現できるのか、違いを楽しんでみてください。

水墨画で朝顔を描くー「線」で表現する場合

線描きに使うのは、墨です。

アサガオは、カサのように折りたたんだ状態のつぼみから、開きます。
なので、このくにゃくにゃした形がポイント。
リズムよく、描きます。

花びらがキレイなまん丸になりすぎないように

折りたたみジワのような筋を「曜(よう)」といいます。

くっついていますが、花弁は5枚ありますので、「曜」も中心から外へ向けて、2本ずつ、5つ描きます。

ラッパ系の花は、筒(つつ)と呼ばれるタテ長の部分もしっかり描きます

アサガオの特徴的なガクをしっかりと濃いめに描きます。

ガクまでを花1セットとして、次に葉を描きます。

中心の部分を2筆でやや細長く。

葉の中心パートの上部左右に、犬の耳のような部分を付け足すと、アサガオの葉の完成です。

偉ギィ

この場合、たれ耳タイプの犬ですよね(自分は違います)

同じ要領で、葉をいくつか描いていきます。
同じ葉にならないよう、角度や大きさなど少し変えてみます。

つぼみ。
省略した描き方ですが、アサガオのつぼみは、右巻きです。

葉の後ろからツルを描いていきます。

最初にツルを描くのではなく、メインの花と花の近くの葉を描いてからツルを足すようにすると、描きやすいです。

アサガオの花に彩色(群青)します。
2本のスジの部分は塗らないで白く残します。

花の中心、しべの部分は、濃い墨で3つチョンチョンチョン、と入れます。

実際には、めしべとおしべがありますが、それらを省略して、あえて黒い墨を置くことで、アクセントとして花全体がキュッとしまります。

最後の仕上げ、くるくるです。

ツル性の植物、アサガオは、このツルを伸ばして、しっかりと本体を支えようとします。

なお、アサガオのツルは左巻きです。

「ここ、黄色がちょと入ってた」

完成です!涼しげですね。

墨の中に、花の色(青)がワンポイントあることで、華やかさを演出できます。

水墨画で朝顔を描くー「面」で表現する場合

↑水墨画3分動画「アサガオを描く」の別バージョン。

さて、もう1種類の「面」で花を描くパターンがこちらです。

解説は、花の部分のみになります。
(葉やツルの描き方は、前述の「線」で花を描く場合と同じです)

線で描く場合と違って、最初に色(群青)を筆に取り、筆の腹を使ってすべるように形を作ります。

形の作り方は、線の時と同じで、キレイな丸ではなく少しゆがめます。

これも同じ、2本ずつ「曜(よう)」という白いおりジワのスジを入れていきます。

こちらでは、つぼみの右巻きを描いていますね。

こんな感じで完成しました。

【水墨画の花を描く】アサガオについて

アサガオといえば、夏休みのイメージがありませんか?

こどもの頃、夏休みの自由研究で、アサガオを育てたという人もおられるのではないでしょうか。

私たちがこどもの時代には、わりとどこでも見かける夏の花でした。

今でも日本の各地で朝顔市が開催されており、浴衣などの和柄のテーマとしては、アサガオはやはり定番の人気があります。
シンプルなラッパ系の花の可愛らしさは独特の魅力を感じます。

〜とても爽やかで夏っぽいけど・・・実は秋の花?!

涼しげな色が、いかにも夏を代表する花らしい・・・と思いきや、実はアサガオは俳句では「秋」の季語だとされています。

実際に咲いているのは夏の暑い時期なのに、なぜ秋の季語になるのでしょうか?

これには、旧暦が関係しています。
旧暦と新暦では1カ月のずれがあります。

アサガオの咲く時期は、7月終わり頃から10月くらいまで。
旧暦では7〜9月が「秋」とされ、
新暦では8〜10月が「秋」となります。

この秋とされる分類に、咲く時期が重なるため、秋の季語ということになるそうです。

最近の気象を思えば、正直どちらも夏じゃないの・・・と言いたくなりますが・・・。

季節感が昔と今ではずいぶん変わってきているので、四季に沿って咲く花たちも戸惑っているかもしれませんね。

アサガオと名前が似ている仲間たちをご紹介

〜顔という名前の、花たちです。

・アサガオ(朝顔)
・ヒルガオ(昼顔)
・ユウガオ(夕顔)
・ヨルガオ(夜顔)

これらを聞いたことがありませんか?

ドラマのタイトルになったり、源氏物語に登場する女性の名前であったり。
実際にその花を見ると、よく似た形ではあるものの、朝顔とはまた違う雰囲気を持っています。

アサガオはMorning Glory〜名前の由来について〜

では名前の由来と特徴を見ていきます。

アサガオの名前の由来と特徴

アサガオは、日が沈んでから10時間ほど経った頃、花が開くそうです。
なので、だいたい早朝に咲いている計算になります。
朝に咲くから、アサガオ(朝顔)です。
昼頃にはもうしぼんでしまいます。

鮮やかな色を咲かせることから「朝の美女」という意味で名付けられたそうです。

英語では、morning glory(栄光、名誉を意味する)という華やかな名前が付けられています。

日本へは平安時代に入ってきましたが、最初は薬草として栽培されていました。
薬用とした種子のことを、牽牛子(けんごし)と言って、利尿・緩下剤に用いられていたそうです。

色は、青、紫、ピンク、白などがあります。
ちなみにヒルガオ科です。

ヒルガオの名前の由来と特徴

ヒルガオは、文字通り昼間に咲いて、夕方にはしぼんでしまいます。

日中、道ばたで金網などにからまって咲いている、ピンク色の小さな花(形はアサガオっぽい)を見かけることがあれば、それがヒルガオです。

見かけの愛らしさと反比例して、たくましく咲く雑草的な花でもあります。

ユウガオ(ヨルガオ)の名前の由来と特徴

夕方に咲く花、ユウガオです。
夕?夜?どっち?となりますよね。

アサガオの仲間は実は、「ヨルガオ」(ヒルガオ科)の方です。

一方、ユウガオの正体は・・・なんと干瓢(かんぴょう)です。

干瓢かんぴょう

ユウガオもヨルガオも白いきれいな花を咲かせます。

ユウガオ(かんぴょう)は、夕方に開花し、翌日の昼にはしぼみます。
ヨルガオは日が沈む頃、良い香りのする白い花を咲かせます。

まさに、暗い夜に咲く花。
不思議ですねえ。

ユウガオの方は丸い実がなります。
そして、これを細長いヒモ状に削り乾燥させたものが、かんぴょうなのです。

ユウガオの仲間には、瓢箪ひょうたんというのもいますね。

可愛い瓢箪

植物は本当に種類が複雑ですね。こちらもどうぞ↓

ややこしいのでまとめましょう。

ヒルガオ科

・アサガオ(朝顔)
・ヒルガオ(昼顔)
・ヨルガオ(夜顔)
・・・・・・これらは花の形が似ています

ウリ科

・ユウガオ(夕顔)
・ヒョウタン(瓢箪)
・・・・・実の形が似ています(^▽^)

アサガオの右巻き、左巻き問題

さて、アサガオにはミステリアスな問題がひとつあります。

ツルの右巻き左巻き問題です。

ツル性のアサガオは、ツルを伸ばして何かに絡みついてどんどん成長していくという習性があります。
そのツルが巻く方向は、右なのか左なのかどちらなのか?

クロネコ

そんなの、見りゃわかるんじゃない?

その通りです。

私も、上記の説明のところでは、「ツルは左巻き」「つぼみは右巻き」と言っています。

実際にツルの巻いている様子をみると、左巻きです。

偉ギィ

じゃあ、左巻きってことですよね

なのですが・・・調べても調べても、明確に「左巻きである」という答えが出ません。

その理由は、こうです。

人間から見れば、左巻きであるが、アサガオ本人からすると右巻きである。

だから、左か右かの論争に答えを出すことができないのである。

意味がわからない、という人は、誰かにあなたに向かってくるくると指を回転してもらってみてください。

その時に相手には「左むきに回転してね」と言ってみてください。
でもあなたから見ると、反対になるので、指の回転は右回転に見えます。

そういうことらしいです。

言い出したらキリがありません。
これは屁理屈というものでは???
ややこしいので、私はいつも左巻きだと説明しています。

なぜなら、私はアサガオ本人ではないですからね。

まとめ

水墨画で描くアサガオの技法2種類をご紹介しました。

どちらがお好みだったでしょうか。

アサガオは特徴的で分かりやすい花なので、初心者がチャレンジする水墨画のテーマにはぴったりです。

花の形、葉の形、ツルがくるくると巻く様子・・・可愛らしくて描くのも楽しいですね。

墨で描いて、花の部分に少し色を使うと良いのではと思います。

ぜひ、描いてみてくださいね!

それでは、また。

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