こんにちは。
墨絵師のベベ・ロッカです。
筆や墨など、道具にもまだ慣れていないころ、水墨画で何を描けば良いのか悩みますよね。
とりあえず、水墨画の気分を味わってみたいな!
筆で描くのは初めてでドキドキします。
最初はそんなふうに思いますよね。
技法とか運筆とか色々あるだろうけれど、「まずは描いてみたい」という気持ちはとっても大切!
細かいことは気にしなくても大丈夫ですよ。
やりたい、と思った時にサッと始めてしまいましょう!
というわけで、サッと描ける水墨画の題材のうち、さらにはやく描けるテーマを4つ選んでみました。
これらは習い始めの時に、レッスンで学ぶ手本としてもおなじみで、かつ人気。
上手に描けなくても楽しめるものばかりです。
目次
【水墨画の描き方】まず最初に何を描けばいいの?
『水墨画の基礎ーまず四君子からー』 という講座をよく見かけます。
では、水墨画は基礎の四君子から学ぶことが必須なのでしょうか?!
↓四君子のひとつ「梅」の記事です。こちらで四君子のことにも触れています。↓
最初に四君子を学ばなきゃダメ?
確かに、水墨画の本を見ても「四君子から〜」と書かれているものは多いと思います。
真面目な人は、「そうか、基本的な技法からちゃんと学ばないとダメなんだな」と一生懸命取り組み始めるでしょう。
でも、それは昔から言われているメソッドというだけのことなので、実はあんまり気にする必要はありません!
水墨画の教室は色々ありますが、教える先生によって指導内容は違います。
絵を習う人の希望もさまざまですよね。
基礎からゴリゴリに練習したい人もいるし、運筆練習は苦手〜まず絵を描きたいんだよな!という人も。
だから、どんなふうにスタートしてもあなたの自由ですから、心配しないでくださいね。
最初のテーマは身近にある「食べ物」がオススメ!
今回紹介するテーマは、形が少々崩れても、「失敗だ!」と思ってもショックを受けにくいテーマ
「 食べ物」 をピックアップしました。
食べ物を描くのは、私も大好き。
私たちの暮らしの身近にあって、誰もが知っている食材を描くのは、楽しいものです。
花や人物は「美しく」描きたいものですが、食べ物の場合いちばん大切なのは「美味しそう」に見えること。
そう思いませんか?
肩の力を抜いて、時には「失敗しちゃった」と笑いながら描いて頂けたらと思います!
そっか!なんだか気がラクになった〜♪
【水墨画の簡単な描き方】食べ物4種類を描く
・ナス
・しいたけ
・アスパラガス
・かぶら
ではそれぞれ順番に、水墨画3分動画を使って解説していきます。
【水墨画の描き方】本体は一筆、5秒で完成!『ナス』
(水墨画3分動画「ナス」音声解説はありませんが音が鳴ります♪)
トップバッターはナスです。
これはとても早く描けますよ!
私が使う色はこちらの顔彩のものを使っています↓
【使用する色】
・ナス本体:ムラサキ
・ヘタ:墨
最速のナスでした。 ナスの本体の部分はムラサキでも墨でもどちらでも構いません。
ただ、墨だと濃淡をつけるのが最初は難しいと思うので(真っ黒になってしまったり)、ムラサキで描いた方がより簡単でオススメです。
また、このナスの形は一般的なタテ長タイプですが、丸っこくすると水ナス風になります。
形が崩れても面白いです。
ナスを描くポイントは、本体よりも帽子のようなヘタの部分。
ヘタのところ、トゲトゲして結構かたいですよね。
ピンピン!と跳ねるように表現するとその感じがよく出ますよ。
【水墨画の描き方】筆タッチが生かしやすい『しいたけ』
(水墨画3分動画「しいたけ」音声解説はありませんが音が鳴ります♪)
次はしいたけです。
これもはやい!
しかも、ナスほど一筆の緊張感がありません。
【使用する色】
・全体の線描き:濃い茶
・シイタケかさの部分:濃い茶と墨を混ぜる
・足の色:明るい茶
しいたけ2つを描きますが、最初はひっくり返っている右側のものから。
右側のしいたけが出来上がり。
次は左側のしいたけです。
愛嬌のあるしいたけでした。
右側のひっくり返った様子も面白いですね。
ナスと同様、墨で描いても良いですが、最初は茶を使った方がよりしいたけ感が出るのでオススメです。
程よい脱力感で優しく描くのがポイントです。
【水墨画の描き方】個性的なビジュアルで描きやすい『アスパラガス』
(水墨画3分動画「アスパラガス」音声解説はありませんが音が鳴ります♪)
次はアスパラガスです。
色がきれいで特徴的なので、これも簡単ですよ!
2本描きましょう。まずは長い方から。
【使用する色】
・茎:緑
・穂先:濃い緑
・はかま:茶
アスパラガスはきれいな緑色がポイント。
穂先のぼこぼこした部分と茶色のはかまをつけたら、本物そっくりに出来上がります。
特徴を生かせるので、楽しく描けますね。
【水墨画の描き方】簡単だけど存在感のある定番『かぶら』
かぶらは水墨画ではおなじみ、定番のテーマです。
墨だけで描いてもOK、今回は少し小さめなので色を使いました。
【使う色】
・線描きと葉、ヒモ:墨
・かぶらの色:赤、白緑(少し鮮やかな緑)
かぶらは、ザ・水墨画という感じがいいですね。
線の部分も、筆の腹で描く葉の部分も、水墨画らしいイキイキとしたタッチが楽しめます。
きれいにまとめなきゃと思うより、おおらかに元気よく描いちゃってください!
【水墨画の描き方】食べ物を描くポイントとメリット
食べ物テーマの大切なポイント
水墨画は「引き算」の絵画と言われます。
全てのテーマに共通することではありますが、なるべくシンプルに、かつ描くものの特徴を引き出すということが大事です。
食べ物がテーマの場合、まずは「美味しく」見えること!
そのためには、形よりも「色」や「イキイキとしたタッチ」の方が大切です。
線で描く場合も、面(筆の腹)で描く場合も、あまり緊張せずに、のびのびと描いてみてください。
絵はメッセージを伝えることが大切ですが、食べ物の場合メッセージ云々よりも、ありのままの生命力を紙にぶつけた方が楽しいし、その方が伝わるはずです。
技術的なことをあまり考えなくても、描く人の個性が出て良い作品になると思います。
食べ物テーマのメリット
これも、食べ物に限らずなのですが、そのテーマのことを知ることができるというメリットがあります。
ええ〜今さら、いつも食べてるかぶらの何を学ぶの?
と思われるかもしれませんが、あなたがいつも食べてるかぶら、あれは一体何なのかご存知ですか?
あれは、根っこの一部なのです。
実ではないんですよ!
それと、アスパラガスは何科かご存知ですか?
キジカクシ目
キジカクシ科
クサスギカズラ属
の被子植物
なんですよ!
なんじゃそりゃ?!ですね。
ここでは、これ以上詳しく記述しませんが、花をはじめ野菜や果物など何から何まで、調べると知らないことだらけ。
面白い発見がたくさんありますよ。
それが絵を描くことと一体どんな関係があるの?と思われる人もいるかもしれません。
普段のレッスンで、水墨画を描く技法だけではなく、こういった豆知識的なこともよくお話しします。
調べたり勉強してみんなに伝えることで、興味を持ってもらいたいと思うからです。
(私自身またすぐ忘れちゃうんですけど)
絵に描けば、必ずみなさん興味を持つようになります。
こないだ描いた花を見かけて、じっくり観察したら面白かったです!
という言葉もよく聞きます。
生徒さんが絵が上手くなるのももちろんですが、
『今まで知らなかった花に興味が出てきた』
といった言葉を聞くことって、すごく嬉しいのです。
興味を持って新しいものを知ることで、自分の世界が広がります。
絵を描いている人たちって、どんどんアップデートされて輝いているんですよね。
それこそ、絵を描くことの真の良さかもしれないな〜と考えています。
食べ物の話から、私の話も広がりました。
最後に。簡単なテーマほど奥深い!どんどん描いていこう
さて、初心者にオススメ、簡単に描ける4つの「食べ物」のテーマを紹介しました。
形の決まったようなものや美しい花を描く時には、緊張してしまいますが、親しみやすい食べ物なら楽しみながら描けますよね。
今回の4つのテーマは、とにかくはやく描けるので、何度でも飽きずにチャレンジできるかなと思います。
とはいえ、シンプルなものほど難しさもありますので、私も時々描いてその奥深さをしみじみ味わっています!
・絵の具を持っている人は、色も使ってみてください。
・練習用なら、墨汁で描いても全然OKです。
・和紙がないなら、画用紙でもかまいませんよ!
まずは描いてみましょう。
それでは、また。
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