水墨画・龍の絵を描きたいならコチラ!

『水墨画の桜の描き方』簡単なコツと注意点をわかりやすく紹介

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのベベ・ロッカです。

桜はお好きですか?

偉ギィ

好きです!桜といえば春の訪れを感じます。

クロネコ

やっぱ桜はいいよね〜〜🎵

そうですよね!

というわけで、今回は私たちみんな大好きな桜の描き方を紹介したいと思います。

・桜が好き!

・桜が描いてみたい

・水墨画桜ってどう描くの?!

そんな方におすすめの内容となっています。

水墨画の桜:花の描き方

ここでは、桜=一般的な「ソメイヨシノ」を例に説明していきます。

ソメイヨシノの花の特徴は、
・淡いピンク色
・シンプルな一重ひとえ(5枚)
ですね。

それでは、さっそく参りましょう!

桜の花の基本的な描き方

こちらは筆ペンで描いています

まず、桜の花の形を見てみましょう。

花びらの数は、5枚。

そして、桜の花といえば皆がイメージするのは、やや細めのハートのような形ではないでしょうか。

花びらの上部に少し「欠け」がありますよね。

その「欠け」を作ると、簡単に桜になるのです。

桜の花びら ズーム!繊細な色合いがキレイ

「欠け」を作るには、1回では無理で、2回で重ねるように描きます。

その重なりを少しずらすようにすると、そこに「欠け」の部分が作れますよ。

また、画像右手の桜の花びらに、1・2・3・4・5と番号がふってありますが、これは描く順番です。

描く順番があるの?

この桜の花びらの順番は、「私」が決めているルールなので、絶対この順番通りに描かなければならない、ということではありません。

なぜ順番を決めているかというと、ただ単に「決めておくと、その都度悩まずに効率よく描けるから」です!

水墨画では、そのテーマに応じて「ルール」がある場合があります。

そんなルールはなくても、私のように「楽だから♪」という理由でマイルールを決めておいてもかまいません。

水墨画は他の絵画のジャンルに比べて、「運筆」という描き方自体に特徴があって難しいな、と感じることもありますよね。

ですので、より簡単に描くためのルール=「工夫」だと思って頂ければ。

※ちなみに、上の画像の桜の場合は、この形の時にのみ発令する順番です。
形が変われば、臨機応変、描き方も変わりますよ!

「欠け」を意識しすぎて、1回・2回としっかり描きすぎると、上のNG花びらのようにカニのツメ風になってしまいますので、注意!

桜の花を墨で描く場合の方法

墨の基本 必ず皿を分ける

花を墨で描く場合、濃淡の表現がとても大切になります。

↑の画像は3枚に分けた墨です。

上の皿の真っ黒な墨は、硯からとった濃墨

手前左は、濃墨を少し取って伸ばして薄くした墨。

手前右は、墨を少し取って水を加えて薄くした墨。

今回は、花びらという「形のあるもの」を描いていきますので、水分は控えめの墨を使います。

こちらの水分控えめの墨を使います
水が少なめだと、余分なにじみがなくスッキリと花の形が描けます

水を加えて伸ばしたシャバシャバの墨を使って描くと、余分なにじみができてしまうので注意!

水を加えて伸ばした墨(これだとにじんで花が描けません)
水分量に気をつけて!

墨は濃淡をつけて表現することが大切です。

そのためには、あらかじめ複数の皿に、いろんな濃度の墨を作っておくのがポイント。

墨を薄めるときに、注意しなければならないのが、水の分量です。

今回のように、細かい絵を描く場合は、水の量は少なめにします。

こんなふうに水が多すぎると・・・・
水がブワーッとにじみ、ぼやけてしまいます

水の量が多いと、和紙ににじみができてうまく描くことができません。

水をたくさん加えて淡い墨を作るのは、広い面をサーっと塗る時などが多いですね。

一方で、わざとにじみを生かしてボワボワ感を味わいとした絵を描く場合もありますが、やや上級テクニックとなるので、慣れるまでは最初は水を控えめにすると良いですよ!

桜の花に色をつけて描く場合の方法

次に、顔彩を使って色で描く場合です。

左:洋紅(ようこう・赤) 右:胡粉(ごふん・白)

淡いピンク色は、赤と白を混ぜて作ります。

ピンクの濃さは、描く桜の種類によって変わります

ソメイヨシノは、実際はほぼ白に近い淡いピンク色なのですが、絵の具を使う場合はやや濃いめのピンク色にすると、より桜らしさがアップして可愛くなりますよ。

花びら5枚を描く順番は、↓こちらを参考に。

また、「欠け」を作るためには、1枚の花びらを2回で描くようにします。(↑図参照)

花びらの1・2・3・4・5の大きさや形が少しずつ違うのは、花のイキイキ感を出すため。

全部同じだと、作り物のような花になってしまいがちです。

手前の花びらが描きにくいため、紙を上下逆さまにして描いている図

形のよい花びらを作るコツは、描きにくくても、常に正面から見た状態で描くこと。

手前の4・5の花びらが描きにくいので、つい紙を回して描きやすい角度にしたくなりますが、これをやってしまうと、花びらが全部同じ大きさ・形になってしまいます。

そうすると、作りものっぽい花か模様のようになってしまうので、紙を回すのはおすすめできません。

きれいな桜の花のイラスト

イラストの花はきれいですが、水墨画で描く花とはまた種類が違います。

それぞれの持ち味があるので、同じようになっては良くないのですね。

少し持ちにくいですが、4・5の花びらは、筆の穂先を手前に向けて描きます

紙ではなく、手の持ち方を変えるのがポイントです。

その際、描きにくい手前の4と5の花びらは、少し短めにして、「欠け」も省略して大丈夫!

省略しても、「桜だ」とわかればOKなのです。

この「省略」という技法こそ、水墨画の持つ「引き算の美学」を生かしたメリットともいえますね!

5枚の花びらを少し変化をつけて描くと、イキイキ感が出ますよ!

水墨画の桜:木の描き方

次は、桜の木(幹)を描きましょう。

下は桜の木の描き方動画です。

参考にしてみて下さい!
(2分44秒 音楽が鳴ります)

水墨画3分動画「桜を描く」

桜の幹の描き方

ガサガサとカスレを出すと良いですね

桜の木は成長すると大きく、どっしりとしていきます。

桜の木をメインに描く場合は、(動画のような場合です)幹を太く、大きく描くようにすると良いです。

桜の木の特徴

桜の木は表面がざらざらしていて、傷のような筋がたくさんあるのが特徴です。

絵に描くときは、この筋を生かしてしっかり描くこともあります。

(↓次の項目で描き方を紹介しています)

幹の下部に桜ファミリーがいる時もありますね

桜の木の筋のつけ方

まず、木の全体を、筆の腹を使って描きます。

次に、筆の穂先を手を使ってバサバサと広げるようにします。

この方法を「割筆わりふで」と言います。

割筆は、いくつもの細い線を一気に描きたい時に使う方法です。

注意点は、水分をよく取っておくことです。

余分な水分があると、穂先がバサバサと割れてくれません。

穂先を使って、木の表面に横向きに筋を入れます。

軽く、なでるように素早く動かします。

同じ動きで単調な模様みたいにならないよう、変化をつけることが大切。

筋があると桜の木っぽさがアップしますね!

水墨画の桜:その他のポイント

その他のポイントとして、

・桜の葉っぱについて

・桜の花のつき方

などをあげてみます。

桜の葉はいつ出てくる?

桜の種類によって、葉が出る時期は違います。

思い出してみて下さい。

春、最初に咲き始める桜はソメイヨシノですが、花だけで葉っぱは見当たりませんよね。

ソメイヨシノの葉っぱは、4月の中旬、花が咲き終わってから出てきます。

葉っぱが出てきた様子の桜は葉桜はざくらなどと呼ばれ、春の終わりから新緑の季節の季語ともなっています。

花が終わっても桜を楽しもうという、桜好きの日本人の気持ちから生まれた言葉でしょうね。

美しいなあと思うと同時に、その頃ケムシがつくので、怖い怖い・・・要注意の時期でもあります。

一方、ヤマザクラ(山桜)という種類の桜は、花と同時に葉っぱもつくのが特徴です。

では次に、葉っぱを描いてみましょう。

桜の葉の描き方

墨で描いた葉のパターン

桜の葉はとても柔らかく、優しいイメージです。

葉を描くときも、固い葉にならないように気をつけて、筆を柔らかく動かせて描きます。

色で描いた葉のパターン

こちらの葉は、赤茶色で描きました。

ん?葉の色は緑じゃないの?なぜ赤い?

赤い葉の色のヒミツ
つややかな赤い新芽!

ヤマザクラの新芽は赤茶色っぽい色をしています。

ヤマザクラに限らず、春なのに、秋の紅葉のような赤い色の新芽をつける植物は、わりと多いですよね。

新芽の赤い色は、葉が成長するにつれ緑色に変化します。

紅葉の葉の色と同じく、この葉の赤色のヒミツは「アントシアニン」という物質。

なぜ新芽の時に赤い色なのかについては、はっきりとした理由がわかっていないそうなのですが、アントシアニンの役割として、紫外線や虫から身を守る作用があるとのこと。

全ての植物がそうではなく、そういう種類のものもあるということですね。

植物の世界も本当に不思議で神秘的です。

桜ファミリー

桜の花のつき方についてもうひとつ、知っておいて損はないのが、桜の花の根本部分のヒミツです。

ここをわかっているのとあやふやなのでは、大きく絵に影響しますので、ぜひ覚えておいてください。

上の画像ではゴチャゴチャとしているので、下の図を見て下さい。

桜のファミリー

桜の花は、枝からいきなり咲くのではなく、いくつかのつぼみが集合した部分から、ニューっと伸びて咲いていきます。

そのつぼみが集合したモコモコ部分(鱗片りんぺん)は、つぼみのお家のようなもの。

桜の種類にもよってつぼみの数は少し違うのですが、大体3〜5つくらいです。

みなこのお家を持っていて、そこからつぼみが出てきて花を咲かせます。

複数のつぼみがひとつのお家から出ています

私は、この桜の花の特徴を説明するときに、「ファミリー」と表現しています。

「桜の花は、1人暮らしではなくてファミリーで暮らしているので、大体数個のつぼみが固まっています」

という具合です。

ですから、桜の花を描くときには、数個ずつまとめて描くようにしてみてくださいね。

それが桜の花の特徴なのです。

いろんな向きや形でファミリーが構成されます

水墨画の桜:種類別の特徴

代表的なソメイヨシノの他にも、桜はいろいろな種類があります。

花の色や葉のつき方など、それぞれ違いがあるんですね。

ソメイヨシノ(染井吉野)

日本の代表的な「桜」、ソメイヨシノ

一般的にサクラといえば、この品種のことを指します。

桜の花というと「ピンク色」というイメージがありますが、ソメイヨシノをよく見ると「ん?けっこう白いんだな」ということがわかります。

ただ、つぼみは少しピンク色。
開花すると白っぽくなりますね。

ヤマザクラ(山桜)

偉ギィ

山桜って品があって素敵ですね♪

べべ・ロッカ

花と同時に葉がつくので、さわやかな色合いが良いですね

前述の葉の説明のところでもあったように、ヤマザクラは花と葉が同時につきます。

↑の画像では、赤い新芽が少し残り、徐々に緑に成長している様子ですね。

シダレザクラ(枝垂れ桜)

クロネコ

しだれ桜、好きなんだよね〜

べべ・ロッカ

私もです!

しだれ桜、いいですね。

しだれ桜の咲く時期は3月終わりで、ソメイヨシノより少し早い時期です。

一重ひとえ八重やえもあって、地面スレスレにまで枝がしなって花をつける様子は、本当に豪華ですよね。

ヤエザクラ(八重桜)

ソメイヨシノの花びらが5枚であるのに対して、八重桜やえざくらは6枚以上の複数の花びらが重なりあって咲くのが特徴です。

花びらが重なって丸く見えることから、牡丹桜ぼたんざくらとも呼ばれます。

ぼたん桜は、八重咲きの花が特徴で、開花すると花のファミリーはより大きく、丸いカタマリになります。

ですので、少し丸みを意識して、(重たくならないように注意)花ファミリーを適度な距離感で描いていきます。

また、花の色もソメイヨシノに比べてピンクが強く、パッと豪華な感じがあります。

花の咲く時期はソメイヨシノより遅く、咲いている時期は長めなので、中旬くらいからゆっくり楽しめます。

水墨画の桜:墨と色の違い

桜は、淡いピンク色というイメージを誰もが抱く花ですね。

でも、墨で描く場合もあります。

特徴があってわかりやすいので、墨で描くのもOKです。

墨だけで描いた桜

面で描きました。(=「没骨法もっこつほう」です)

花を主役にズームアップして描く場合は、花ファミリーを丁寧に描くと良いですね。

こちらは線描き。(=鉤勒法こうろくほうです)

墨だけで描くと、桜のピンクという色情報がないため、スッキリ・クールな印象です。

色を使って描いた桜

上の、線描きの白い桜をピンクに色付けしてみました。

雰囲気が変わりますね。

花メインではなく、桜の木全体の表現。

「引き」の構図で桜の木全体を描く場合は、花を細かく描く必要はありません。

また、全体を描く時は、やはり色を使って淡いピンクで演出した方が、より桜らしくて良いですね。

奈良県吉野の桜!

墨と色、それぞれの違いと良さ


↓こちらの記事では、墨だけで絵になる花・色を使った方が簡単に描ける花・・・いろんな花を紹介しています。

まとめ

絵に描くだけでなく、紋章になったり、デザイン化されたり、何より「お花見」といえば桜。

桜といえば春の象徴。

お花見といっても、花を見ることなく宴会して騒いだりする方がメインじゃないか、という意見もあるかもしれませんね。

奈良県宇陀市:樹齢300年と言われる「又兵衛桜」(またべえざくら)

とはいえ、やはり桜は私たち日本人にとって、とても意味のある、美しく、深く、大きな魅力ある花。

なんやかんやで、いろんな形で、誰もが、毎年春になると自分なりの「お花見」ということで、桜の開花を楽しみにしているのではないかな?

そんなふうに思います。

もちろん、私もそんな1人だからです。

葉桜はざくら」「桜紅葉さくらもみじなど、春以外にも存在感があって、秋の桜の紅葉も私は大好き!

楽しみながら桜の絵を描いてみて下さいね。

それでは、また。