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水墨画の風景画の描き方でよくある3つの悩みと簡単な解決方法

べべ・ロッカ

こんにちは。

墨絵師すみえしのベベ・ロッカです。

偉ギィ

水墨画で風景画を描きたいんですが、なんか難しそうで・・・

水墨画で風景画を描きたい、という人は多いのですが、いざ描くとなると「思ったより難しい」「イマイチな仕上がりになってしまう」という声をよく聞きます。

水墨画の特徴のひとつは、濃淡をつけること。

また、にじみやかすれを出したり、絵のテーマに合わせて様々なテクニックを使います。

墨だけで色を使わない風景画の場合は、「単なる白黒の絵」になりがちなので、「変化」をつける工夫はとても大切です。

今回は、水墨画で風景を描くときのポイントをいくつか紹介したいと思います。

・風景を描くとき、どこから手をつけてよいかわからない

・なんとなくのっぺりした特徴のない絵になってしまう

・風景画は難しくて苦手

そんなお悩みを持つ方におすすめの内容です。

では、ポイントを順番に解説しますね!

水墨画の風景画「悩み」

水墨画の風景画を描くときの【悩みあるある】は、次のようなものではないでしょうか?

①たんなる「白と黒の絵」になってしまう

②時間をかけて描いても、なぜかつまらない絵になってしまう

③素敵な風景の写真を撮った!・・これを絵にするには

どうしてそうなってしまうのか、1つ1つ見てみましょう。

①たんなる「白と黒の絵」になってしまう

風景画で墨だけを使って描く時に、よくやってしまいがちなのがこちらです。

単調な「白と黒の絵」になってしまう理由は、「墨の色に変化がない」からです。

この場合の「白」は、紙の地の色。
つまり、何も描いていない部分のことです。

そして「黒」は、墨を使って描いた部分。

黒い墨だけで描くのだから、当然そうなると思われがちですが、真っ黒な墨だけでただ描き続けると、変化のない「白黒の絵」になってしまうのです。

②時間をかけて描いても、なぜかつまらない絵になってしまう

がんばって風景画を描いても、完成した絵を見ると、「思っていた感じと違う・・・」ということがあります。

つまらなく見えてしまう理由は、「絵にストーリーが無い」からです。

これは写真でも同じことがいえます。

パッと目の前に広がる風景画とてもステキで、思わず写真をバシバシ撮った、という経験は誰でもあるのではないでしょうか。

しかし、後でその画像を見ると、「あれ・・・?なんか実際の景色と違うな、もっと良かったのにな」ということありませんか?

それとちょっと似た現象かもしれません。

③ステキな風景の写真を撮った!・・これを絵にするには?

パッと目の前に広がったステキな風景、バシバシ撮った!

あとでイマイチな感じにならないように、ちゃんと考えて撮った!

絵の素材のための良い風景が撮れたな〜。

・・・・ええっと・・・、どうやって絵にしたらいいのかわかんないなあ。

ステキな画像が揃ってもどうして良いかわからない理由は、その風景を「構図として見れていない」からです。

写真と絵とは違います。

ステキな風景も、そのままでは絵にならないのですね。

水墨画の風景画「解決」

よくある悩みを3つに絞り、紹介しました。

では次に、それぞれどうやって解決したら良いかの考え方、解決編です。

①「白黒の絵」の解決法

白黒の単調な絵を解決するためには、ズバリ「墨の濃淡」をつけること!

水墨画では昔から「墨に五彩あり」などと言われ、墨いろに変化をつけることが非常に大切とされてきました。

墨いろのグラデーション

白(何も描かない、または水をはいただけの紙の地の色)

淡い淡い墨(水に少し色がついた程度のごく淡いグレー)

淡墨(淡いグレー)

中墨(濃いグレー)

濃墨(墨だけの黒)

超濃墨(漆黒)

文字で強引に表現するとこれだけでも6パターンあります。

グレーの濃さ加減は、水とのまぜ具合で変化します。

淡いグレーといっても、水が多めのバシャバシャした状態もあれば、水を極力含まないけれど淡い色にすることも可能なのです。

線描きにしても、濃い線もあれば、淡い線もある、というふうに濃淡をつけるとグッと絵に深みが出てきますよ!

②「なんとなくつまらない絵」の解決法

動物などを入れるのもあり

つまらない絵を惹きつけられる絵に変える方法は、ズバリ「テーマを決める」こと!

え!?テーマだなんて、そんなすごそうなこと難しそう・・・・と思われるかもしれませんが、大丈夫です。

要は、絵の中に「主役」を作ってあげれば良いのです。

「見どころ」といってもいいかもしれません。

ある風景画がつまらない、どう見ていいのかよくわからない、と思うとき、その絵の中にストーリー性が感じられないことが多いです。

これは、技術的に上手下手の問題だけではありません。

山、川、道、などを何となく適当に配置した風景画がつまらないのは、当然のことです。

・シンボルツリーのような大きな木をバーンと手前に置く

・激しい川の流れを表現してみる

・絵の中心に橋や建物などを描く

などなどアクセントをつけて工夫をすることも大事。

そして、少しでも良いので、絵に物語を入れ込んでみると良いですね。

自分の住む町がヒントでも良いし、実在しない場所でもかまいません。

見る人に「これはどこの風景だろう・・」「この道はどこへ続くのかな」といった想像を掻き立てるようなストーリーを作って描くことが重要なのですね。

ストーリーがあると、描くのも楽しくなってきますよ。

③「写真から絵を描くには」の解決法

写真をもとに絵を描く方法は、ズバリ「切り取る」こと!

写真をそのままキッチリ描くと、写真ではステキなのにその良さは絵になると失われてしまうことがほとんど。

写真と絵の違いが出てしまうからです。

「切り取る」とは「構図を決める」ということです。

写真の編集をしたことがある方なら、いらない部分を囲って、切り取る作業はおなじみですよね。

あるいは、最近だと背景の消したいものを自由に消せたりとか・・。

そんなふうにして、不要なものを消したり、足したり(足すというのは写真にないものを付け足すということです)しながら、構図を決めていきます。

描きすぎるとうるさくなるし、描き足りないと寂しくなります。

そのバランスがとっても重要なのです。

初心者の場合、つい真面目にきっちりと描きすぎてしまうことが多いので、思い切って「引き算」することが大切ですね。

はじめは難しいかもしれませんが、風景画の中のひとつひとつを「パーツ」ととらえ、それらをうまく組み合わせてベストな配置にするんだ、という感覚で構図を決めると、チャレンジしやすいかもしれません。

こちらも参考にどうぞ↓

水墨画の風景画:簡単な手本例

では、実際に例を見ていきましょう。

こちらは水墨画3分動画からの風景画「橋」です。

まず動画を見てみてください。

3分で描くごく簡単な水墨画ではありますが、さまざまな工夫が入っています。

(2分57秒:音楽が鳴ります🎵)

そしてお悩み3つの解決法を、どんなふうに生かしているか見てみましょう。

①濃淡をつけている

橋の向こう側の木々を描いています。

最初にごく薄い墨でベースを作ります。

2度目。

少し濃くした墨を重ねます。

3度目。

さらに濃くした墨を重ねます。

橋のたもとにもっと濃い部分を作ります。

最終的には、これくらい濃くすることで、他の部分と比べてみて、かなり強いアクセントとなりメリハリが生まれます。

和紙は墨を吸いやすく、乾くと描いた時よりも薄くなる性質があるので、かなり濃くすると良いですね。

②主役の橋が目を引く

この構図は、あくまでも3分動画用のものなので、非常に簡単ですが、考え方としては参考にして頂けると思います。

この絵は、橋が主役なので真ん中で大きめに描かれています。

おそらくほとんどの人がパッと最初に目がいく部分で、当たり前ですが「あ、橋だ」と思いますよね。

こんなふうに大きく主役を目立たせるというのは、わかりやすくて初心者にも取り組みやすい方法だと思います。

例えば「橋」を主役と決めたら、次はどの角度にするか・・
いろんなパターンを撮って選ぶのも楽しいですよ!

③シンプルな構図

写真の情報量が多いと、カットする勇気も大切です

いいな、と思う写真が撮れたら、②のように主役を決めて、シンプルにまとめていくのがおすすめです。

「風景画」は、いろいろ描きこんでいかないと絵にならないのでは、と思うこともあるかもしれませんね。

描きこむ部分と、バッサリ切り取る部分のメリハリをつけることが大事です。

この絵だったら、背景にもう少し木や山などを足してもOKですね(うっすらと)
主役を小さく描くのもあり

構図を切り取って考えるのは、いちばん時間をかける楽しい部分です。

いろいろ試してみてくださいね。

まとめ

今回は、風景画の描き方で普段よく聞く「お悩み」を3つにしぼり、例を挙げながら解決方法を紹介しました。

難しさはありますが、描きこんでいける水墨画の風景画はとても楽しいです!

濃淡を生かして、ぜひ墨の美しい風景画を描いてくださいね!

それでは、また。

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