こんにちは。
墨絵師のベベ・ロッカです。
水墨画の季節のテーマとして、花と同様、「実(果物)」も人気です。
実ものは、描くのも楽しく、手軽に描けるので初心者の方にもおすすめ。
中でも柿の実は、日本らしい秋の色の代表とも言えますよね。
柿、おいしいよね〜
・初心者で描くものに悩んでいる
・なるべく失敗しないテーマがいい
・簡単に描きたい
そんな方にオススメ。
すぐ描けますから、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
目次
水墨画で簡単に描く果物「柿」
柿は、アジアが発祥とされています。
「persimmon」という英語名はありますが、アメリカやヨーロッパでは、「KAKI」という名でそのまま通じるそうですよ。
「SAKE(酒)」「KARAOKE(カラオケ)」「KOBAN(交番)」など、日本名で世界に通じるものは結構ありますよね。
もちろん「SUMI-E(墨絵、水墨画)」もそのひとつです。
水墨画の「柿」描き方動画
まずは、柿の動画を参考に見て下さい。
柿の絵、何に描く?
柿の実は、たった1つでも十分存在感があるので、色々なサイズや形の紙にオススメです。
また、実の描き方は、描く紙のサイズによって変わります。
(構図が変わるということですね)
・ハガキ、うちわ・・・枝付きの大き目の実を1つでもOK
・色紙サイズ〜・・・柿の木をメインにして、実を小さく散らす
・柿の「実」をメインにする場合=実は大きめに、数は少なめに。
・柿の「木」をメインにする場合=実は小さめに、数は多めに。
参考にしてみて下さいね。
動画では柿の実1つバージョンの簡単な描き方を紹介しています。
水墨画で簡単に描く「柿」①線描き
それでは、柿の実、描いていきましょう。
上の画像のようなイメージですね。
柿をひと枝(葉っぱ付きで)取った様子を作品にしていきたいと思います。
柿の「枝」の描き方
【使う色】
・枝(墨)
最初に墨で枝を描きます。
「①枝の描き始め」の画像を見て下さい。
少し最初に少し引っ掛けるように先端を描き、溜めて、そこからスウーッと下に筆を引いていきます。
このように運筆する理由は、「枝を折った様子」を表しているからなのですね。
細かいですが、同じにならなくてもいいです、なんとなくでいいのでマネしてみてください。
まずはモノマネから!
柿の「実」の描き方
【使う色】
・実の線描きとヘタの部分(墨)
まず実は、全体の形を軽く墨で線描きします。
実の色を後から塗りますので、線はこれぐらいの濃さが良いですね。
形は、色々あるのですが少しへしゃげた感じにすると、柿っぽさが出ますよ!
(ゆがんだり思うような形にならなくても、その方が味があってOK!)
柿の実は、没骨(線を描かず面で形をとりながら描く方法)でも描けますが、最初は線を軽く描いて中を塗る方法がラクなので、オススメです。
ヘタを描きます。
ここは、柿の実の特徴とも言える部分で、とても重要です。
濃い墨で、4つの形を作りましょう。
ここを小さくするとトマトみたいになっちゃうので注意!
水墨画で簡単に描く「柿」②葉っぱの面描き
【使う色】
・葉(墨)
次は、没骨(面描き)で葉を描きます。
上の葉っぱ、裏返っていますよね。
裏返り葉っぱの描き方を説明します。
裏返り葉っぱの描き方
まずは、葉のオモテ部分(濃い方)を、濃い墨で描きます。
この時、下にカーブをつけて「欠け」を作ります。
次に、葉のウラ部分(薄い方)を、薄めの墨で描きます。
先ほど、あらかじめカーブをつけて欠けさせていたところを埋めるように、スッと面で描きます。
裏返り葉っぱの出来上がりです。
注意点としては、オモテ部分とウラ部分との濃淡をハッキリとつけて描くことです。
葉っぱに変化をつけるコツ
バリバリっとした感じの柿の葉っぱを、次々描いていきましょう。
一筆めで、右半分を描きます。
二筆めで左半分を描きます。
葉っぱのギザギザした感じの描き方は、動画を見て筆の動きを確認してみて下さいね!
この葉っぱは、わざと柿の実に少しかぶるように描いています。
そうすることで、より自然な感じや立体感を表現するためのテクニックです。
葉っぱの仕上げとして、最後に葉脈を入れます。
葉脈とは、葉っぱの表面に見えているスジのこと。
これは、人間でいう血管のようなもので、葉の栄養分や水分を運ぶ役割をします。
必ず入れなければならないというわけではありません。
花の種類やその絵の構図によって、入れる場合がありますよ。
葉脈を入れてバリバリ感がアップしました!
水墨画で簡単に描く「柿」③実の着色
私が使用している顔彩はこちらです↓
【使う色】
・実の色(黄、濃黄、朱)
濃黄はオレンジ色のことです。
薄い色から濃い色へ重ねていきますので、まず黄色を全体にサッと塗ります。
薄い色→濃い色へ重ね塗る
黄色が塗れたらオレンジ色を重ねます。
最後に朱色を部分的に重ねます。
うまく見せる重ね塗りのコツ
【重ね塗りのポイント】
①真ん中あたりから色を置き始めること。
塗り絵のように端っこから塗り始めると、その時点でブワーッとにじみ線から色がはみ出てしまうことがあリます。
②軽くサッと塗ること。
水を多めにベタベタ塗りすぎると、色を重ねるたびに余分な水分がドンドン出てきてにじんでしまいます。
(ちょっとくらいなら、にじんではみ出てもOKです)
③3色全部を同じように塗らないこと。
完成図を見て下さい。
色ムラがありますよね。
実際の柿の実が熟れていくと、きれいにオレンジから朱色になっていきますが、絵にする場合は、そこをひと工夫。
きれいにムラなく塗るのではなくて、色の差をつけてみると、よりリアルに表現することができるのです!
ぜひやってみて下さいね。
水墨画で簡単に描く「柿」大切なポイント
柿を描く時に「ここに気をつけてほしい」というポイントをいくつか紹介します。
私は、水墨画で表現する際に、「墨だけで描くこと」にそれほどこだわらなくても良いと考えています。
ですので、水墨画を描くときの様々なテーマについて、
・これは墨で描くのがオススメ
・これは色を使った方が良いかも
という風に、幅広く紹介するスタイルを取っています。
その時に、「なぜそうするのがオススメなのか」という理由も一緒に説明しているので、参考にして頂ければうれしいです。
柿の実の色について
柿といえば、イキイキとしたオレンジ色を思い浮かべますよね。
これぞ、まさに柿色。
美しい日本版オレンジ色といえます。
初心者が柿の実を描くときは、やはり色を使った方が柿の良さがスムーズに伝わるのでおすすめです。
墨だけの表現は、水墨画に慣れてからの方が無難でしょう。
葉の特徴について
植物によっては、「葉っぱも主役クラス」と言えるような、特徴があるものも多いです。
柿の葉もそうですね。
ゴワゴワ・バリバリとした味のある個性を生かしたいので、柿の実を描く時には、葉っぱも一緒に描くのがオススメ!
さらに柿っぽさがアップして、良い作品になりますよ!
柿は、色を使うことをオススメしましたが、逆に葉っぱは、柿の実を目立たせるために、墨で描くと良い味わいが出ます。
まとめ
今回は、初心者がトライしやすい果物の中でも、ぜひ描いてほしい秋の味覚「柿の実」を紹介しました。
・1つでも存在感がある
・色がキレイで分かりやすい
・季節感を表現しやすい
などなど。
柿にはメリットが多いのが魅力です。
実もの(食べ物)は、育てるのも描くのも楽しい!
ということで、柿の実、ぜひ描いてみてくださいね。
それでは、また。
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